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松橋萌の欧州散歩伝2024其の54(グッゲンハイム美術館その2)

ジェニー・ホルツァーのインスタレーションはこの美術館の最初のコレクションの一つであるようだ。1997年。バスク語が流れるインスタレーション。民主主義の前でのこの言語の歴史的困難の表現。エイズ。しかしARの作品もまた煙に巻くような印象であった。

抽象について考えさせられる
その手法によって歴史を隠喩的に表現すると同時にそれはアメリカナイズされるものであるとも思うから。

壁に対するアプローチは為されていたが、矛盾を感じるのだ。また、ポップアートの自己言及性を丁寧に引き出す作業がされていたかとそうは思えなかった。力を失ったニキドサンファルがあった。

最も印象的だったのはセラの作品の奥の展示室。「あなたは8つの記念碑的な彫刻を見学しました…(そこはコメントスペースである…)…そして、窓の外を見ると、他の芸術作品が見えますか?」窓の外の端に描かれたペイントのことを指しているのだろう。しかしその橋の元にはホームレスが生活しているのだ。

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