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Start-up / 日本→アメリカに持っていこう、は甘い

シリコンバレーで起業するということのリアルな声。
自分自身が起業をしたいと考えた時に読ませたい内容です。

アメリカでビジネスするなら

  1. 日本→アメリカに持っていこう、は甘い(今回の記事)

  2. 自分より優秀な人を仲間に入れる(次回)

  3. 時間を売るな、価値を売れ(次々回)


思いの他長くなりそうだったので3回に分けます・・・


1. 日本→アメリカに持っていこう、は甘い

シリコンバレー起業家のTips で記載した通り、米国で挑戦したいならアメリカに来ることが大前提。

人脈の繋がりという視点の他に、以下2点が重要と理解。

プロダクトのUI/UXの視点(2C向プロダクトは特に)
マーケットはちゃんと存在するか?


プロダクトのUI/UXの視点

※UI(ユーザーインターフェース) 
利用者がWebページで見たり操作する要素。テキストや画像、レイアウトと、メニューやボタンなど実際に操作するものが該当。

※UX(ユーザーエクスペリエンス)
利用者がWebページを使用した時の体験やそれを通して感じる感情。購入までの導線がわかりにくい、画像が大きすぎて横スクロールしなければ全体が見えないなど、利用している人の感情

デザインの重要性は体験価値だけではなく、識字率の問題に起因しているようです。

日本の識字率は99%(※1)とほとんどの人が文字を認識することができるため
サービス設計やエラーはほとんどが文字と説明で表示される。

一方でアメリカは全体の21%の4300万人(※2)が文字の認識に問題があるとされていているのが現状。

日本人口1億2500万人で計算した時の非識字者を125万人とすると
アメリカは約34倍。。。

これは人種や移民による第一言語の問題があると思います。

文字ベースで設計できる日本と、ユーザーフレンドリーな設計にしなければならないアメリカではUI/UXに大きな違いが出てきます。

日米における識字率の違いから生まれるUI/UXの違い


マーケットはちゃんと存在するか?

メルカリ創業者の石塚さんにご来場いただいた講演で
なぜマーケットが重要かを規模ヒトの二つの視点からお話しいただきました。

【規模】
競争もないところにはマーケットもない、つまり大きくならない。

競争はないけれどマーケットはあるという市場を探そうと思うと、競争がないところを探すあまりにマーケットもない市場に引っ張られてしまう。
競争があっても市場があるところに入っていく方が大きくしやすい。

【ヒト】
マーケットがないところに優秀な人は来てくれない。
つまりレッドオーシャンには人が多く、採用もしやすく、伸びている市場のためみんな勉強してくるから優秀な人も多い。

メルカリ創業者 石塚亮さん講演にて
メルカリ石塚さんの講演の後 石川作成

私自身が元々考えていたマーケットはワイン市場。
市場規模(TAM)はだいたい3800億米ドル。

おそらく一年間に生産されたワインのみの規模とすると
バックヴィンテージや購入されてまだ消費されていないものを考えると2.3倍の市場規模とも言えますが(完全なる憶測)

ミニマム1000億米ドルくらいの規模がVCからお金を調達するのに必要な規模とのことなので

お金をガンガン投資して爆速スピードで規模を拡大していきたい場合には
ワイン市場はちょっと小さい。

もしVCから調達しないで自己資本で行うブートストラップであれば
「実現したいこと」ベースでビジネスを行うのもあり。
ですが、その場合優秀な人が集まりにくい、という状況に陥る。

そして何より、日本と米国の状況が異なるため、
そもそもそれって必要だっけ?という壁にぶち当たる。

特にカリフォルニア州ではワイナリーが多く、週末にワイナリーへ遊びに行くことも当たり前だし(ヒアリングした人のほとんどがよくいくとのこと)
日常的にワインを飲む文化。

日本と状況が違うため、サービスを提供するとなった場合、
それを必要とする人ってアメリカにいるんだっけ?
を痛感した瞬間でした。


参考
※1:識字率とは?日本の識字率が100%ではない理由と世界のランキング
※2:How Serious Is America’s Literacy Problem?


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