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【旅ろぐ】ノスタルジック・ポルトガル① ー旅前篇ー

2020年1月、スペインに夫が赴任すると聞いて一番最初に思い浮かんだのは、「ヨーロッパの色んなところに行ける!」というとんでもなく単純かつミーハーな考え。LCCでそれこそ地元と東京の特急料金くらいで各地に飛べるという冗談のような話も聞いたことがあったから、夢が一気に膨らんだ。そんな浮かれた気持ちもパンデミックのせいで手放した風船のようにあっというまにどこかへ行った。

やっとの思いでスペインに越してきた後も半年近くロックダウン…。スーパーに行くのが日々の楽しみだった。

時は流れ、昨年2021年の11月上旬、まだオミクロンが広まる前、感染者数に関してスペインが優等生だった頃、「今年のクリスマス休暇はどこかへ行こう!」という話になった。行き先をあれこれ考え、ゴッホ美術館に行きたかった私は「オランダがいい」と言い出し、ベネルクス3国に行くことを決めた。その次の日、オランダがロックダウンに入ったという事実をニュースで知る。

『とにかくツイてないなぁ』と思いながら、考え付いた新たな候補地が”ポルトガル”だった。渡航経験のある友人が口を揃えてお勧めしてくれたのと日本からの直行便がないというのが決め手になった。

ちょうどその頃私はタイミングよく原田マハさんの小説『風神雷神』を読んでいた。主人公の一人が天正遣欧少年使節の原マルティノだったこともあり、彼が初めて見たヨーロッパであるポルトガルが気になっていたことも大きな後押しになった。マハさんはいつも私の世界を広げてくれる。おかげでバケットリストが溢れかえる。
そうそう、日本が初めて出会ったヨーロッパもポルトガルのはず。実はかなり身近な存在だったのかもしれない。

行き先が決定した後、DMM英会話で贔屓にしている先生がポルトガル在住(アイルランド人)だったので、色々聞いてみると「どこも素晴らしい!」と。「もちろんリスボン、ポルトもいいけど、コインブラもオススメだよ」と言ってくれ、便利な高速バスの情報も彼からゲットして、いよいよポルトガル旅の計画は始まった。

それにしても凄い時代だ…。
実際にそこに住んでいる方にオンラインで、しかも英語で話を聞けるだなんて…。
10年前くらいの私には想像していなかった出来事だ。

密かに外大に憧れていた高校生の自分に「当時やりたかったことが出来ているよ」と教えてあげたい。

つづく。

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