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イタリアの音楽院への第一歩 音楽院と良いところと先生探し編

音楽院に留学してみたいと思っている日本人の学生はどれくらいいるのでしょうか。

私は日本の大学3年生のころ、イタリア語に恋をしてしまったことをきっかけにイタリアに行きたいなと漠然と考えるようになり、4年生の時にミラノで教えている先生と繋がりました。実に私は大学3年生になるまでずっとアメリカに行きたいと思っていたのです...。そう思うと準備期間は比較的短いと言えるでしょう。

あくまで私の意見ですが、どこの音楽院に留学するかは専攻実技の先生で決めることが大切です。イタリア国内ではどこの音楽院出身だと有利、なんて考えはあまりありません。それよりも大事なのは取得した学位、そして誰とどのような勉強をしたのか、ではないかと感じています。

音楽院について色々な意見があるとは思いますが、私は音楽院に行ってよかったと思っています。
おすすめする理由のひとつは、人との繋がりができるということです。私自身音楽院で沢山の出会いがあり、オーディションやマスタークラスに関する情報もすぐに手に入りました。劇場で歌い始める友人もいたので、イタリアの劇場で働くということがどういうことなのかイメージするのも容易でした。
劇場の監督や、既にキャリアを積んでいるプロの歌手と共演する機会も与えられ、大変勉強になりました。

そして、やはり音楽に関する知識を一度イタリア語で学ぶことができるというのはとても大きいです。和声や楽曲分析などは日本でも勉強していましたが、イタリア語でどういうのかは勉強し直さないとわかりません。私自身指揮者と仕事をした際、ここで学んだ知識があったからこそ、指揮者と対等にコミュニケーションが取れたと感じています。


さて、音楽院は先生で決めよう、ということですが、どのように先生を探せばいいのでしょうか。
少し話がずれますが、音楽院には良い先生がいない、という噂を聞いたことはありますか?私はあります!...ですが、私はこの噂は正直真実ではないと思います。

そもそも良い先生とは何なのか。確かにイタリアでは、現役で劇場で歌っている歌手が音楽院で教える仕事をするということはあまりありません。音楽院で教えている先生は教えるということに従事しているので、現役で歌っていないケースが多いです。ただ、現役で歌っていなくても教えることに長けている先生もいらっしゃいます。実際私の先生もそうでした。
もちろん!現役でバリバリ歌っている歌手で、音楽院で教えている人もいますよ!
パヴァロッティの名言でこの世にはいい先生もいい生徒も存在しない、存在するのいい相性だ、といったものがありますが、まさに自分がしっくりくる先生を探すのが何よりも大切です。人によっては、現役で歌っている伝説的な歌手の教えが一番合っていると感じるかもしれませんし、またある人によっては現役で歌っていない先生でもその先生の教え方がしっくりくると感じるかもしれません。

話をもどしましょう。どのようにして先生を探すのでしょうか。
1番簡単なのは、知人の紹介ですが、私は人脈がありませんでしたので、日本で自力で探しました。
まずは、音楽院のサイトにアクセスし、先生(docente)のリストを見ました。そこには先生のプロフィールとメールアドレスが記載されています。私は先生の過去のキャリアとレパートリーが自分に合っていると判断し、記載されていたメールアドレスにメールを送りました。メールには自分の演奏動画も添付し(YouTubeのリンク)、一度オンラインでレッスンを受けたいと書きました。
すると私の先生はマメな方なので、すぐに返信が返ってきて、動画のフィードバックとともにオンラインレッスンの日程の候補をあげてくださいました。トントン拍子で話は進み、オンラインレッスンを受講。オンラインでも大体人柄と教える様子はわかるもので、すぐ私はこの先生につきたいと思ったのでした。実際先生とは約2年とてもうまくいっています。

音楽院のサイトには必ず先生(docente)の情報、連絡先が掲載されています。
気になる町の音楽院の先生リストを覗いてみることからスタートするのはどうでしょうか。
私自身何人か素晴らしい先生(教えている音楽院はそれぞれ違う)を知っているので、もし興味がありましたら、お気軽にメッセージをお送りくださいね。

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