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市民オペラに参加するということ 44

7月21日木曜日、この日から怒涛の4日間が始まる。この日は場当たりがあった。場当たりというのは、本番の舞台で、それぞれのシーンの立ち位置を確認する作業だ。場当たりでは、演技したり歌ったりすることは求められていないが、本番の舞台に乗るのはこの時が初めてだ。当然セットを見るのも初めてである。
場当たりはもともと午後5時開始予定だったが、感染症拡大の影響で時間短縮の措置が図られ、合唱は6時半スタートとなる。本番の会場は、職場から10分弱と近いので、これなら仕事を終えてから向かっても間にあう。 

会場に到着すると、シンプルだがモダンな感じのセットが準備されている。今までは平場を紐で区切って舞台の大きさを表していたが、なにせ紐が貼ってあるだけなので、高低差などは全然わからなかった。舞台上に3段のステップが設置されると聞いてはいたが、実際目にしてみて初めてイメージが掴めた。
場当たりでは、登場するシーン全ての立ち位置を確認するので、それなりに時間がかかるが、歌うわけではないので、予定通り午後8時に終了する。この日は実際の舞台を見て、照明の感じも確認できたので、ワクワクした。とはいえ翌日はゲネプロと呼ばれるリハがあるので、用事が終わったらさっさと退散する。ゲネプロの前には当然のことながら、普通に仕事がある。

翌22日の午後5時半から、ゲネプロの2回目が始まる。実は2時から、1度目のゲネプロがあったのだが、私は仕事があったので休んだ。そしたらそれが物議を醸したようだ。休んだ人は他に誰も居なかったのだ。パートリーダーには、ゲネプロに出ないなんて非常識だと言われた。
そうはいっても先週末は、通し稽古を3度もやっているのだし、1回分パスしてもゲネプロもあと2回あるのだし、本番だって3回ある。先日の通し稽古だって休んでいた人は居たし、別にいいのではないかと思ったが、事情が違ったらしい。
というのも、通し稽古を休んだ人たちは、濃厚接触者や、検査で引っかかった人たちであったらしいのだ。私のようにサボったわけではないらしい(もっとも、ゲネプロに参加するためには仕事をサボらなくてはならず、私には良くも悪くも、その意思はなかったが)。
そして現に1人、陽性になって本番に出られない人がいることがわかった。時節柄有り得ないことでないにせよ、そんな無念なことってあるだろうか。本番に出られない人の分も、出られる人たちが頑張らなくてはならない。

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