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市民オペラに参加するということ 46

7月23日土曜日午後5時、本番第1回め。お客さんは会場の7割くらい入っているか。満席ではないものの、そこそこ入っている。
こんなことを書くと、まるで舞台人みたいだが、お客さんが入っていると思うとやる気が出る。この日は午前に最後のゲネプロがあったし、木曜日の場当たりからずっと毎晩劇場に通い詰めで、本来疲れているはずなのだが、本番だと思うと疲れも吹き飛ぶ。本番の緊張感が心地よく、無我夢中のうちに終わる。事故もなく、舞台を楽しむことができた。

翌24日は10時半劇場入り、12時本番開始だが、自主練で10時集合となる。私は自主練には遅れて参加した。
舞台に出る時は、通常メイクに時間をかけるのだが、今回は感染症拡大の影響で、マスク着用での本番だったので、私は特別なメイクはしないことにした。
本番にマスクをして臨むというのは、なんとも残念である。私がマスクが嫌いだからというのではなく、顔のほとんどの部分を覆っているとなると、表情が死ぬ。声も飛ばない。ヘタをすると演技どころか、歌っているかどうかすら、お客さんに伝わらないのだ。でも昨年、この団体の本番は、合唱は演技なしだったことを考えると、これでも大きな進歩だと考えなくてはならない。
12時の回は、有名な出演者がいた関係で、3回の本番の中ではいちばん観客が多く、会場の8割5分程度の座席が埋まっている印象か。でもこの回のキャストが、3回の公演の中ではいちばん下手なので、少し残念。ちなみに私の家族が見たのもこの公演だった。何はともあれ、まずまず楽しく本番を終えた。

2時半ごろ2回目の本番を終えたところなのに、最後の本番はもう4時に始まる。さすがにもうくたびれ果てて休みたいが、あと一回ぶん頑張らないといけない。しかも最後の本番には友達や会社の人など、いちばん多くの関係者が来てくれることになっていたのだ。
楽屋ではぐったりしていたのだが、いざ本番が始まると、人が変わったようにシャキッとする。この回は3回の公演の中でいちばん観客が少なく、会場の半分くらいしか埋まっていない。そのことは寂しいが、実はこの回のキャストが、私はいちばん好きなので、お客さんが楽しんでくれていればいいな、と思う。

感染症下であることもあってか、終演後の観客のお見送りはできない。せっかく来てくれた人たちに挨拶もできず残念だったが、この環境下において、いろいろ制限があるのはやむを得ないか。おまけに本番が終わっても、打ち上げすらなかった。ちょっと寂しいが、これも仕方ない。
いざ本番が始まると、あっけないくらいあっさりと終わってしまった。簡単に会場と楽屋の後片付けをすると、私は帰路についた。

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