ヨーロッパ3都市をめぐる旅(2) カタルーニャ音楽堂、ミロ・ピカソと現代建築 (Barcelona, 2015.7)
バルセロナ・パビリオン(ミース・ファン・デル・ローエ記念館)
起床し、バルセロナ・パビリオンを目指す。
途中でみかけたスタジアム。新旧の融合が面白い。
磯崎新の建築(カイシャ・フォーラムというオフィスビル)も見かけた。私は正直ピンとこず、夫がこの建物と記念撮影をしたいとのことで撮影した思い出。
エスカレーターを使ってひたすら上に登る。さらに階段を登る。このバルセロナ・パビリオンは丘の上にあるのだ。
とてもシンプルで、円熟味のある作品。大理石が印象的。正直想像よりも小さい建物で拍子抜けしてしまった。ガウディとの対比がすごい。"Less is more"とはミースの言葉だが、まさにその哲学を体現した建築だと感じた。
あまりピンとこなかった理由は、現代では多様な表現が当たり前になっていて、シンプルな建築を見慣れているせいかもしれない。当時の衝撃は凄かったんだろうなと思う。
ちなみに、夫は20歳のときにドイツで見たミース作品(ガラスと鉄でできた重厚な新ナショナルギャラリー)のほうが感動したかも、と言っていた。
オリンピック競技場跡地
さらに階段を登り、バルセロナオリンピックが行われたメインスタジアム跡地を見に行く。とにかくよく歩く。新婚旅行とはとても思えない、修行のような徒歩の旅。
とても広いスタジラムだった。無料で見学できるのはよかった。
当時の活気に思いを馳せながら見て回った。
夫が「ホットドッグ売り場があって、買おうか悩んだけどやめたよね」と言うのだが、全くそんな売り場を見た記憶がない。
地下のトイレが印象的だった・・。ロゴも、手洗い場も非凡だった。
こういう遊び心のあるピクトくんたち、いい。
ミロ美術館
続いて、ミロ美術館へ。
ガチャピンみたいで可愛い。ミロ作品は愛嬌がある。
屋上で記念撮影をしていたのだが、屋根?の柱が独特な形で3本連続しており、夫がしきりに「バウハウスっぽい」と言っていた。たしかにバウハウス資料館に似ているのだが、ミロ美術館ができたは1975年なので、影響は受けたかもしれないけれどバウハウス直系ではないと思われる。(という振り返りを夫とした)
行きはエスカレーターに階段にとひたすら登ってきたが、下りはケーブルカーに乗って中心地へ。
ランブラス通り(La Rambla)
バルセロナのメインストリートと言われるランブラス通りに出てきた。
グエル邸
ランブラス通りからちょっとだけ入ったところにあるグエル邸へ。こちらも予約済だったのでスムーズに入れた。
見てのとおり、とにかく豪華絢爛。何処か日本のテイストを感じる。人が快適に住むところではないなという感想。
高い吹き抜けが印象的。
屋上のオブジェがカラフル。カサ・ミラ、カサ・バトリョ、グエル邸と皆んな屋上も見所になっている。
人々の生活が垣間見えるのもいい。
クアトロガッツ(4匹の猫、Els Quatre Gats)
グエル邸から徒歩10分強のところにある、ピカソが通ったというレストラン「クアトロガッツ」へ。
美味しかったけれど、次の予定(音楽堂)があるのに提供がとてもスローだったので焦っていた記憶。
カタルーニャ音楽堂
昼ごはんを堪能した後は、予約しておいたカタルーニャ音楽堂へ。建物すぐ近くで以前の会社の部長(直属ではない)家族とすれ違って冷や汗をかいた。こんな偶然ってある・・・?向こうも同様にびっくりしたと思うが。
バルセロナで1,2を争う印象深い建築。とにかく手がこんでいる緻密さとデザインの大胆さのバランスが最高。
ガウディの作品群と同じくらいかそれを上回るくらいのインパクトだった。素晴らしい場所だった。
広場で記念撮影するかわいいガールズ。
シャボン玉を見せたいお母さんとあんまり興味ない1歳くらいの息子が可愛かった。
15分ほど歩いて海沿いを目指す。
途中、教会があったので見学していく。
教会の中庭に、なぜかアヒルがいた。可愛い。
教会前の広場でコップに水を入れて縁を撫でて綺麗な音を出している人がいた。
結構な距離を歩いて、海の近くまできた。海岸沿いは開放的な雰囲気だ。
喉の乾きが限界を迎えていたので、カフェで休憩。このネスティー、甘すぎたけど、乾ききった身体に染み渡った。
ちなみにこのテーブル、Jorge Pensiデザインのものでは?と夫が言っていた。おそらく偽物だろうが、彼はスペインで活躍するデザイナーらしいので、もしかしたら彼のものかも?(こんな無造作に使われるかな?)
海沿いでの夕べを楽しんだあとは、タクシーに乗ってヴィア・ベネトへ。
ヴィア・ベネトでのディナー
普段は旅先でこうした高級なレストランに行くことは稀なのだが、夫のお世話になっている人の一押しのお店ということもあり、事前予約してきちんとした服装で訪問することにしていた。
ドアマンが流れるような動きでエスコートしてくれ、席まで案内してくれた。
お客さんたちも割とドレスアップした人が多かった。若くて初々しいボーイさんも接客もよかったし、料理もとても美味しかった。料理はわりとトラディショナルな雰囲気。
我々はお酒は頼まずコース料理だけ頼む・・という、こういうお店からするとやや非常識であろう注文をしたのだが、ボーイさん含めて特に態度は変えずに終始紳士的に振る舞ってくれていた。
夜のサグラダ・ファミリア
せっかくなので、夜のサグラダ・ファミリアを見てから帰ろうよということで、タクシーで降ろしてもらう。
ライトアップされるサグラダ・ファミリアをまじまじと眺めた後は、地下鉄を乗り継いでホテルへ戻った。
朝の散歩:バルセロナ東部の現代建築を見に行く
朝早く起きて、ホテル北部の建築群を見に行く。このホテル(中心地から数駅離れた、北東部の海外沿い)は旅行代理店が指定したものだったのだが、私たちの趣味にピタリと合う本当にいい場所だった。もしも中心地もしくはバルセロナ競技場近辺にホテルがあったなら、このバルセロナフォーラムをはじめとした建築群は見にいくことがなかっただろうから。
海岸沿いには人目をひくような建築がたくさん。
そして散歩の目的地その1へ。
テートモダンやプラダ青山店を設計したヘルツォーク&ド・ムーロンによるフォーラム・ビルディング。2004年に開催された国際文化イベントのメイン会場となったビルで、現在は自然史博物館として利用されているそう。
このビルもたしか彼らの作品だったような・・?
2014年GPFが行われたバルセロナ国際会議場も外観を見ることができてよかった。町田くんがブラッシュマイヘアーってインタビューで言ってた時の撮影場所。
日本ではありえないような構造のビルがたくさん。地震がない国だから・・・。
朝から運動しているお年寄りたち。元気なのは良いことだ。
ピカソ美術館
ヴェネチアへ向かう前に、ピカソ美術館に立ち寄った。
時間があまりないのでスキップすることも考えたが、夫がどうしても行きたい!というので予定に組み込んだ。
適度のボリュームで一時間ちょっとで見終わったし、展示されている作品もさすがに素晴らしいものばかりだったので、行けてよかった。なんというか、彫刻の森などにあるもの(素敵なんだけど、ちょっと大味というか・・)とはまた違う、なんだかハッとする構図だったり新しさを感じる作品が多かった。
広場にもピカソ作の絵が飾られている。ゆるいテイストでなんとも愛らしい。巨匠のこうした落書き風の絵ってとても魅力的。
一階はデザイン系に寄った商品を取り扱うショップだった。
ジャン・ヌーヴェルによるトーレ・アグバールも見られて大満足。しかし実際見てみるとなんとも変な形。
ヴェネチアへのフライト
バルセロナ空港を中心としたLCCであるブエリング航空でヴェネチアへ。