オープンマインド

東京都内で主に心理カウンセリング・心理療法の「オープンマインド」という事業をしています…

オープンマインド

東京都内で主に心理カウンセリング・心理療法の「オープンマインド」という事業をしています。 合わせて11年住んだニューヨークでは、大学院で心理学(修士・博士)を学び、実習やNPOでの勤務経験などもあります。 noteでは主に心理学やメンタルヘルス関係のことを書いていくつもりです。

最近の記事

リスキリング、あるいはもっと裾野の広い学び 40代・50代・60代~からでも学びをブーストすることは可能!

前回の記事に引き続き、さらにリスキリング、というか学び全般についてヒントとなることを書いていきたいと思います。 その記事を参照はしませんが、最近目にしたものに多くの50代の人にとって知力のマックスは「18歳」であるという衝撃的なことが書かれていました。「衝撃的」と言いましたが、ある意味まったく不思議ではないのかもしれません。「18歳」とはなんの年でしょうか? そう、大学受験の年齢なのです。この数字がたしかであると仮定すれば、多くの人が(主に大学進学をした人、になりますが)やは

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    • フロイトの『夢判断』放送に当たって~「精神分析的心理療法」とは?

      同僚に当たる人からフロイトの『夢判断』がNHK100分de名著で取り上げられると聞き、非常に驚いています。驚いている理由を述べるだけで時間がかかりそうなので、ある程度割愛しますが、精神分析は欧米では非常に威力を持ったものです。言ってみれば社会のあらゆるところにその考え方や影響は浸透しており、今日の心理療法やカウンセリングの原型はそこにあると言っても良いものです。 『夢判断』は1900年(本当は1899年だが、フロイトが「20世紀の書物」にしたいとして1900年として刊行)に

      • 大学や大学院への復学~学び直しやリスキリングとはまたひと味違う?

        私は現在心理療法士・公認心理師をしていますが(「オープンマインド」という個人事業をしています)、そこに到るには長いキャリアチェンジのプロセスがありました。具体的には、大卒後就職したものの、そのときはモラトリアム的な気分で自分が何をやりたいとか、何が得意といったことを明確にしていなかったのです。おそらく今の学生さんに比べ、そういう機会や意識も少なかったかと思います。いわゆる「意識の高い」学生だけがやっているような印象でした。 ともあれ、機会があったためアメリカで、しかも修士・

        • なぜ夢のメッセージに耳を傾けることが大切なのか?

           心理療法のオープンマインドです。  現在、心理療法士(サイコセラピスト)をしていますが、もともと大学では心理学専攻ではありませんでした。その大学時代に読んだ数少ない心理学関係の本の一冊が、故・河合隼雄の『無意識の構造』でした。何も知らなかった私にとって、こころの中には意識と無意識という領域があり、その間をエネルギーが循環しているという考え方は目からウロコでした。  しかし、そのときにはまさかその数年後に心理学の世界に足を踏み入れることになるとは、まったく思っていなかったので

        リスキリング、あるいはもっと裾野の広い学び 40代・50代…

          7月にアメリカに旅行したとき思ったこと(マスクや検査のことなど)

          さて、すでにサンフランシスコ国際空港(SFO)のことについて書きましたが、7月に全6日間ほどの短い日程でアメリカに行きました。メインの目的はアリゾナ州トゥーソンで行われた学会だったのですが、立ち寄ったサンフランシスコ、フェニックス(空港のみ)、トゥーソンの印象を書いておきたいと思います。(なお、出国前検査の日付は2022年7月22日でしたので、現在では状況が変わっている可能性もあります。かならずご自分でご確認ください。) と言うのも、コロナ禍になって2年以上、いまだ海外旅行

          7月にアメリカに旅行したとき思ったこと(マスクや検査のことなど)

          サンフランシスコ国際空港(SFO)の名前となった、ハーヴェイ・ミルクのこと

          アメリカに行くとき、サンフランシスコ国際空港(SFO)を使ったことがあるという人も、少なくないかと思う。最近、SFOが「ハーヴェイ・ミルク」という名前を持っていることを知った。ふだんは素通りしてしまうことも多いのだが、時間の余裕があったため、空港で写真のパネルの前を通りかかって、この人は誰だろう? と思った。 Facebookで、友だちがミルクについての映画があると教えてくれた。題名はそのまんまの『ハーヴェイ・ミルク』(原題はThe Times of Harvey Milk

          サンフランシスコ国際空港(SFO)の名前となった、ハーヴェイ・ミルクのこと

          大阪クリニックの放火について

          このニュースを最初に聞いたとき、正直言って「まずいことになったな」と思いました。もともと日本では精神科(心療内科)や心理というものに理解があまりなく、患者さんたちもケアに携わる人たちも世間の偏見に曝されがちです。精神障害者も社会でともに生きていくというダイバーシティの観点からすると、こうした偏見・障壁は減らされ、なくなるべきなのですが、前よりましとは言え本質的にはあまり変わっていないと言えるでしょう。 そうした世間の不理解・不寛容さは不必要に入院日数を伸ばしたり、いったん精

          大阪クリニックの放火について

          漢字を使う日本人はエライ!?

          昨日目にした記事がありました。中国人から見て、日本人は昔漢字を輸入していまだに使っているから偉い、と。比較している対象は同じく漢字文化圏と言われる韓国やヴェトナムですが、どちらも独自の文字体系を作り漢字は使用しなくなっています。韓国では漢字教育を復活させようという議論もなくはないようですが、やはりいったん止めてしまったものを復活させるのはなかなか大変なようで、それ以上進まないようです。 中国は言わずと知れた中華思想の国ですから、いまだに漢字を使っている点でたしかに好感や親近

          漢字を使う日本人はエライ!?

          NYの地下鉄について

          NYの地下鉄と言えば、映画などで見たことがある人も多いだろう。「危ない」、「汚い」などのイメージもなんとなくついているかもしれない。 が、NYの地下鉄は市民がごく日常的に使っているものだ。NYというと、超お金持ちやセレブも多いイメージだが、ごくふつうの庶民や貧乏な人もいっぱいいる。その理由として、「NY」と聞くとマンハッタンだけ思い浮かべる人が多いが、「NY市」は5つの区(ボロー、borough)から成り立っており、端の方へ行けばマンハッタンよりは家賃も安いし、マンハッタン

          NYの地下鉄について

          日本の「縄文文化」はすごかった!?

          最近、世界遺産登録をされた南北海道・北東北の縄文・弥生遺跡群ですが、登録直前に青森市の三内丸山遺跡に行く機会がありました。もともと、古代や先史時代など古い文化・文明が好きではあるのですが、そこで見た「縄文」ははるかに想像を超えたものでした。 この遺跡群、いっぱいあってとても地元民でないと回れなさそうなのですが、特に三内丸山遺跡に特徴的なのは、人が長期定住していたらしいということです(紀元前約3900年から2200年)。通常、「定住」は「農耕」とセットになっており、ご存じの通

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          3泊4日、アメリカ横断鉄道の旅

          もう25年も前の話です。機会あってアメリカ横断鉄道に乗りました。サンフランシスコーニューヨーク間で、飛行機でも行けたのですが、3泊4日の列車の旅をあえて選びました。 しかしこの「SFーNY間」というのにはトラップがあったのです。というのも、(なにせ25年前とかなので、よく覚えていないのですが)日が近づいてから予約を取ったせいか、SF発の"Caoifornia Zephyr"(カリフォルニア・ゼファー)号はすでに売り切れ。代わりにLA発の"Southwest Chief"(サ

          3泊4日、アメリカ横断鉄道の旅

          おがさわら丸から見た、忘れられない海の青

          海と言えば、やはり数年前行った小笠原旅行のことが忘れられない。そんなに「海」「島」という方ではなかったが、そのさらに前年、奄美大島に行って南の島はまた別かもしれない、と思うようになった。 それほど行こうと思っていたわけではなく、ある日、ネット上で父島の宿が出ていてなんとなく引きを感じて、とりあえず予約した。さらには直後、「島じまん」という東京都の離島イベントが行われていて、行ってみたところそこに小笠原海運さんがいた。小笠原への唯一の足とも言える「おがさわら丸」を運行している

          おがさわら丸から見た、忘れられない海の青

          性格や能力と仕事(や立場)の不一致~アンダーアチーバーとカウンセリング

          アメリカで心理学のPhDを取得し、東京都内で心理カウンセリング・心理療法を中心とした事業を主宰しております、オープンマインドです。今日は「アンダーアチーバー underachiever」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? アンダーアチーバーとは、知力や能力が十分にあるのに、それが仕事や学力などで発揮されていない状態を指します。心理学の研究、特に教育心理学では知能(IIQ)と到達度(成績など)を測ったとき、その間に差がある状態を指しますが、現実的には特に大人の場合、もっ

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          白人だらけの小学校に一人通った、黒人の女の子ルビー・ブリッジズの話

          東京・渋谷でカウンセリング・心理療法をしています「オープンマインド」です。noteでのはじめての公開記事となります。メンタルヘルスはもちろんですが、文化やダイバーシティの問題に関心を持っているため、今日は標題のトピックを選んでみました。 アメリカにはずっと悪名高い「人種隔離主義(segregation)」なるものがありました。徐々に、そうした方法は違法、意見であるという判断がされていきますが、学校における隔離を違法とするBrown v. Board of Education

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