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#3 誕生日とリッツ

20超えて、誕生日があんまりうれしくなくなった。

小学校のころは、「誕生日には何をおねだりしようかな」とか思ったり、中高生のころは好きな人からの「お誕生日おめでとう」っていう言葉やメール、LINEを期待したりしていた。


大学に入り、急に誕生日がうれしくなくなった。

特に誕生日に何かくれるわけでも、いろんな人から「お誕生日おめでとう」って直接言われるわけでもないし、大学を卒業すると社会に出なきゃいけない、「社会に出るまであと数年」って思ってしまって、願わくばここで時が止まってほしいなんてちょっと思う。


ちょっと時をさかのぼって、高校生の時の話をしたい。


まだ、誕生日がうれしかった時の話です。



18歳の誕生日の日、親からの誕生日プレゼントよりも、友達からの「おめでとう」の言葉よりも、何よりも一番うれしかったのは、片想いをしていた子からもらったリッツだった。


そのリッツの外箱には「Happy Birthday」の文字にちょっとしたにこちゃんマークが書いていて、めっちゃくちゃうれしかったのを覚えている。


たかだか200円そこらで満足できるんだから恋の力ってすごいんだなあって感じる。


その女の子は、高校生活の半分、1年半も片想いをしていたのですが実らず、付き合うことなく卒業したのですが、そのリッツをもらった瞬間の記憶は鮮明にあります。



その子のFacebookをこの間見かけた。この春から1年間留学するらしい。

その子は高校のころからの夢をかなえるために、海外で1年間学ぶらしい。大したものだと思う。

会おうと思えば連絡も取れるが、会うための理由もなく、別にいま僕は幸せだから会いたいとも思わないが、元気そうで何よりだった。


その子も、誕生日が嫌になってるのかな。今年22歳という現実と抗いながら、まだまだ先の長い将来は続いていくんだろうな。ちょっとだけ、大人になった現実を受け入れながら、頑張ろう。


僕の誕生日、まだまだ先だけど、今年の誕生日にはリッツを買って食べよう。

夢がもし儚いままで終わるのなら
明日もBlue
二度と帰らない “Young Love”
青春の終わりに