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さぬき
2021年10月31日 17:44
参考文献「いさわの民話と伝説」 編:胆沢町公民館【六章】姫と大蛇翌日、吉実の妻は、小夜姫があまりにも美しいので、大蛇の贄(にえ)にすることを可愛想になりました。そのことを夫吉実に話すと、吉実は顔を変えて、実は贄のことは小夜姫にはまだ話していない旨を告げました。いづれ小夜姫に話さねばならぬことなのだが、どういう風に話し出したらいいのか、そのことで疲れた割に昨夜はあまり眠っていないこと
2021年10月28日 20:00
参考文献「いさわの民話と伝説」 編:胆沢町公民館【五章】小夜姫【三節】旅はいつしか伊達領に入っていました。千賀の浦からは船でした。※千賀浦・・・ちがのうら。宮城県松島湾南西部の浜辺。小夜姫は博多から乗った船の経験があったので、眉をひそめましたが、船の進む波間に、多くの緑の松の生えている島々の浮かんでいるのには驚きました。そこは松島でした。小夜姫は、この世にこんな美しい風
2021年10月28日 12:47
参考文献「いさわの民話と伝説」 編:胆沢町公民館【五章】小夜姫【二節】筑紫はもう、春が過ぎようとしていました。博多から馬を捨てて、船に乗りました。船路は必ずしも穏やかなものばかりではありませんでした。奈良から再び陸路に変りました。しかし路銀の都合もあって、馬を雇うことはできませんでした。したがって吉実一行はもちろん、姫も硬い草履の旅でなければなりませんでした。慣れぬ
2021年10月27日 19:30
参考文献「いさわの民話と伝説」 編:胆沢町公民館【五章】小夜姫【一節】丁寧な挨拶をしながら破れた笠を取った小夜姫の顔を見た吉実は、アッとあやうく声を上げるところでした。顔は少し汚れて、髪も幾日も櫛(くし)づけていないらしく、麻糸の乱れを思わせるものがありました。でも澄んだ眼から鼻筋の通り、美しい桜貝を合わせたような唇など、自分の娘を見たのではないかと、いぶかったほどでした。こん