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岩手県の民俗学(胆沢の民話)

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岩手県の胆沢という地域に伝わる民話や伝説を紹介しています。 民俗学的に価値のあるものだと思うので、目にとまった人の記憶に、少しでも残って伝わっていけばいいなと思います。
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2021年1月の記事一覧

鶴供養の話【岩手の伝説③】

鶴供養の話【岩手の伝説③】

参考文献「いさわの民話と伝説」 編:胆沢町公民館

昔、二ノ台に一人の猟人(かりうど)がいました。

その猟人は、鉄砲を射てば百発百中という名人でありました。

昨日は鳥、今日は獣と、猟に出た日は、一日として肩に獲物のない日はありませんでした。

毎日のようによく獲れるので、猟人の生活は次第に豊かになり、その心は高慢になってきました。

そこで近所の人には、誰一人として、彼と喜んで交際する者がない

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