全部自分でやろうとしてました

こんにちは金曜お昼になりました。手芸作家兼若手イラストレーターの展示をメインとしたギャラリーを運営している大図まことです。イラストレーターと手芸作家に向けた「仕事とお金の授業」27回目となる本日のタイトルは「全部自分でやろうとしてました」です。

昨日手芸の仕事を手伝ってもらっている方からお願いしていた刺しゅう作品が届きました。手芸作家と名乗っているので全部私が作業をしていると思われている方も多いと思うのですが実はそうではありません。企画とデザイン以外は外注です。

作家として独立した当初は外に頼むという発想もそのためのお金も無かったので夜なべして全て自分で作っていました。本を出したタイミング辺りから徐々に自分で針を持つことが少なくなってきたように思います。その理由は単純に仕事のキャパオーバーだったことと信頼できる腕の良いスタッフと出会えた事、あと激安だった報酬（手芸の仕事はほんとに安い）の交渉を粘り強く出来るようになったからです。今は外注予算をしっかり押さえてから仕事に取り組んでいます。

最初は自分が針を持たないことに少し罪悪感がありましたが今は全然ありません。何でかというと新しい企画やデザインを起こし、仕事を作っていくことが自分の役目だと思っているからです。たまに無性に針を持ちたくなることがあってその時は無心で時間を忘れて刺しています。大男が無心で針を、、、。想像するだけで怖いです。

刺しゅうの仕事に関わらず自分でやらなくてもいいもの、頼めることに関しては全て外部にお任せしています。例えば経理業務に関しては独立した当初から税理士さんに入ってもらっています。もちろんお金は掛かりますが自分達でやった場合の時間や専門家に頼んでいるという安心感とを天秤にかけると任せた方がメリットがあると考えています。確定申告の時期にSNSでヒーヒー言うのは今年でもうやめましょう。運営しているギャラリーのレジは今年からアルバイトさんに入ってもらい、その時間を使って今後の展示スケジュールを組んだり、外での打ち合わせをしています。どちらも自分でも出来ますがやりません。自分で全部やらなきゃと無理して続けている事は続かないし成長しないと分かったからです。

もちろん自分がやりたいことに関しては外部に頼む必要はありません。今私はギャラリーでお預かりしている作品を全て自分で撮影しているのですが外部のカメラマンに頼むことはありません。それは単純に撮っていて楽しいからです。でももしかしたらビジネスとして拡がって行く段階で外注することも出てくるかもしれません。今は無理なく楽しく続けていられています。

最近創作活動に悩んで相談をしにきてくる人によくこうアドバイスしています。「お金で解決出来る悩み事はすぐにお金を払って解決した方が良い」と。古いパソコンを使って作業が滞っているのであればローンを組んででも高スペックのパソコンを買うべきだし、仕事が欲しいのに少ないのであればお金を払ってビッグサイトで行われているビジネスの展示会に出るべきです。お金が貯まってからという考えをついついしがちですが仕事に関しては悩んでいるその時間を減らす事が出来るんです。もちろん成果が出ない場合もあると思いますが早く動いた分早く切り替えられますよね。

お金で解決出来ない事ももちろん沢山あると思います。突然の自然災害や事故などです。でもこれらの自分ではどうしようも出来ないことは今考えても仕方がないですよね。クリエイターとしての仕事に関しては作品のオリジナリティと信頼関係以外大体のことはお金で解決出来るはずです。

絶対に損をしたくない人、リスクを少しも負いたくないという人がほとんどの世の中です。だからほんの少しでもリスクを負った人にチャンスが訪れると実体験を持って知っています。これまで全部自分ひとりでやってきたという方は一度外部に任せられる事は無いか考えてみて下さい。