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サンクコストを意識しよう

こんにちは金曜お昼になりました。手芸作家兼若手イラストレーターの展示をメインとしたギャラリーを運営している大図まことです。イラストレーターと手芸作家に向けた「仕事とお金の授業」23回目となる本日のタイトルは「サンクコストを意識しよう」です。

もしかしたら聞きなれない言葉かもしれませんが私たちが普段生活している中で無意識に判断することへの影響を及ぼす行動心理の1つです。これを知っているか知らないかでこれからの創作活動の進め方が変わると言っても過言では無いです。私はこれに気づいてからガラッと意識も仕事内容も変わりましたよ。では始めましょう。


サンクコストとは?

サンクコストとは主に経済用語として使われ以下の意味を持ちます。

英語表記はsunk cost。既に投資した事業から撤退しても回収できないコストのことで、埋没費用ともいう。それまでに費やした労力やお金、時間などを惜しんで、それが今後の意思決定に影響を与えることを、サンクコスト効果と呼ぶ。

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https://www.nomura.co.jp/terms/japan/sa/A02367.html


めちゃくちゃわかりやすく言うと、もったいないからやめられないということです。例としてよく挙げられるのはコンコルド旅客機の事例です。イギリスとフランスの航空会社は共同開発で超音速旅客機を作ることが出来ましたが色々な理由が重なり採算が全く合いませんでした。開発費用として数千億円を費やしているので計画を途中でやめる判断が出来ず結果として数兆円の赤字を出したと言われています。

金額の規模は違えどこういう事ってよくありませんか?映画を見ていてつまらないなと思ってもチケット代がもったいないという心理で席を立つことは無いですよね。席を立って別のことに時間を使う事も出来るのに。沢山作ったグッズの在庫はセールか処分すべきなのに、もったいないからと捨てられず何年もの間部屋を圧迫し続けたりなどなど。


私の一番大きなサンクコストは物では無く「手芸」という仕事でした。手芸作家と名乗ったからには全部自分の手で作品を作り出さなくてはいけない、ハンドメイドのイベントに出なくてはいけない、手芸本を出さなくてはいけないという呪縛にずっと囚われてました。初期の段階で活動が上手く行っていたこともあり徐々に売り上げが下がってきてもこれまでの時間とキャリアがもったいなくてやめられませんでした。今も手芸の仕事をしてはいますがサンクコストを意識した結果新しいジャンルへ挑戦することが出来、創作活動も続けられていると思っています。

自分の中ではこれまでやってきた手芸を切り捨てたわけでは無く切り替えたと思っています。手芸作家だから手芸だけをしなくてはいけない。イラストレーターだからイラストだけを描かなくてはいけない。という決まりは自分で勝手に決めているだけです。一本で勝負出来ている人は凄いと思いますがその人が目立っているだけで万人が真似出来ることではありません。

もし活動が上手く行ってなかったり、結果が長い間出ていない場合はサンクコストを是非意識してみて下さい。これまでやってきたことをやめる必要はありません。切り替えるだけです。そう思うと少し気分が楽になりませんか?

ではまた来週金曜お昼にお会いしましょう。

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