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頑張っても1位になれなかった2週間

"努力はいつか報われる"とか"きっと夢は叶う"とか、そんなおまじないのような言葉を信じて過ごしているような過ごしていないような。占いとかおみくじとかもそうだけど、良い言葉だけ信じたら良いのに、やっぱり悪い言葉も印象に残る。ニュースとか本とかも悪い言葉というか見出しに"危機感"があったほうが売れるからわざと悪い未来予想寄りに書いてることがあったりなかったりするらしい。

生きていく中でも良い結果を堂々と話すよりも、悪い結果を自虐しながら面白おかしく言うほうが好まれてる気がする。養成所の講師の方が『他人の不幸が1番面白い』とよく言っていた。私の不幸もきっと報われるこの世界に期待したい。私は自分がこんな人間でも生きていても良いと思いたくて共感できる曲や人を探している。そんなふうに私みたいな誰かがここにたどりついてくれているだろうか。

頑張ったけれど1位になれなかった日々を振り返ります。頑張った、と言えるのはファンの方々のおかげです。こんな私にも応援してくれるひとがいる。

私は芸人をやっている。まだまだ全く知られていないけれど自分がそうだと思っていないといけないし、芸人だと思って活躍の場をくださっているみなさんにも、活動を見てくださってるみなさまにも失礼だ。ありがたいことに事務所にも入れてもらっていてお仕事もいただけることがある。

"ミクチャ"という配信アプリをご存知だろうか。簡単にいうと、ライバーと呼ばれる配信者がリスナーと呼ばれる視聴者にアイテムを投げてもらうシステム。現実のお金でアプリ内のコインを買って、そのコインでアイテムを投げてもらう。アイテム=ポイント。小さいアイテムだとクッキーで4ptだったり、大きなアイテムだとリムジンで1000ptだったりする。もっと小さな2ptや大きな10万ptなどもあるし、スタンプやスパチャコメントも送るとポイントが配信者に加算される。

私は浅井企画という事務所におおぞらモードというコンビで所属している。そして同じ事務所に所属している芸人11組でミクチャ配信を2週間やってポイント1位を目指すというバトルに参加することになった。1位になるとチバテレで冠番組を持たせてもらえるという特典だった。

仲良くさせていただいてる先輩方とのバトル

私たちコンビは2020年4月〜6月の期間で70日連続でツイキャスという配信アプリでリモートで配信をしていた。コンビ結成6ヶ月の2020年4月に事務所に所属させてもらった。しかし、その頃には自粛期間でライブもバイトもなくなり、ずっと家にいる生活。芸人としてなにも動くことが出来ず、時間もあるし毎日配信しようと決めて始めた。企画をしたり、仲の良い芸人さんを呼んだり、それなりに頑張った思い出だ。だからミクチャで2週間配信することにそこまで抵抗はなかった。

まだ録画が残っている配信もあるので
ぜひ見てください

2週間のバトルが始まる前に、ミクチャの運営さんからZOOMでのリモート会議でアプリのシステムやルールを教わる。11組いるなかで、私の相方だけ疲れていてスマホを握ったまま寝てしまったらしく15分遅刻してZOOMのミーティングへ入室。私はメモを取っておいた。

だいたいのことは書いて覚えます
慌てるとひらがなが多くなります

1時間ほどのレクチャーを受けて終了。なんとなくは理解できた。そして偶然にもその時期に、私がときどき出演させていただいている『本田翼と中居大輔の夜な夜なラブ子さん』という番組で知り合って仲良くなった"琳ちゃん"という友達がミクチャでZipper掲載モデルオーディションというイベントに参加されていたので早速ミクチャをインストールして配信を拝見して勉強させてもらった。琳ちゃんが毎日ミクチャで配信していたことはinstagramのストーリーで知っていたけれど、もっと早くから見たかったし、もっとアイテムを投げて応援していれば良かったと思った。それからは毎日のように気にして見るようにした。ずっと可愛くて癒やされる配信。

この画像の説明が分かりやすかった
とても可愛いのでぜひ琳ちゃんの
インスタをフォローしてください

イベントが始まる数日前に1回だけ会議室を借りてコンビで初めてミクチャ配信をしてみた。ツイキャスやインスタライブと違って、BGMで曲が流せたり、フィルターがかけられたり、私たちのことを知らないひとが配信を見てくれたりすることに戸惑う。仲の良い友達や芸人さんから、過去にも何度か他の事務所もミクチャで"チバテレ冠番組争奪戦"イベントが行われていたときのことを教えてもらう。私も養成所の同期で現在はホリプロコムに所属している松尾魂さんがやっていたことはなんとなくツイッターで見かけていた。

そしていよいよイベント開始日になった。

2/7(月)18時〜2/20(日)23時までの2週間。

【初日2/7(月)】
18時からスタートなので、夜に私がひとりで配信をすることに。自宅からの配信なので背景で部屋をうつすことに抵抗があり、カーテンの前で床に置いた体重計に座って配信をしてみた。しっくりこなくて、次の日からは諦めて二段ベッドがうつってしまうけれど椅子に座って配信した。床に座ってしっくりきて2週間やってたら腰を痛めていたと思う。危なかった。この日は約40分程で終了。ツイキャスの一枠30分に慣れていたので自分では長くやったつもりがミクチャの世界ではとても短い配信だということが今なら分かる。

定期的な配信と回数を確保するために、私がお昼に配信をし、夜に相方の長山さんが配信を担当することにした。この2週間で出演するお笑いライブが2回だけだったため、基本的にそれぞれひとりで配信をやって、スケジュールが合うときにはコンビでリモートで配信することにした。

【2日目:2/8(火)】
私はお昼に長時間配信を目指して約1時間程度のお話し配信を。そして相方の長山さんは夜に来たコメントに全部ツッコミをする配信を。長山さんはこの日がイベント期間中の初めての配信だったので、開始時にイベントタグをつけ忘れてせっかくもらった1600ptをイベントに反映されていなかったことに20分ほど過ぎた頃に見てくださっていた方に言われて気がついたそうです。この出来事をきっかけにことあるごとに私やファンの方に『イベントタグは押しましたか?ポイントは反映されてますか?』と言われています。

【3日目:2/9(水)】
私がお昼に持っている帽子を見せるという配信を約2時間。長山さんはグータン森山さんを呼んでスタジオから即興歌配信を約2時間。どちらも長めにやったはいいものの、そこまでポイントが伸びていないことに危機感を持つ。

スタジオから配信

【4日目:2/10(木)】
私がいつも通りひとりでお昼に配信をしていると、ベテランのリスナーさんたちに配信のコツを教えてもらう。通りすがりのひとや、はじめましての方々も、アドバイスをくださったり、アイテムを投げてもらえたりした。"盛り上がり度"と"リトボ"を知る。盛り上がり度は配信のコメント数やアイテム数が増えてくると数値が高くなり、ミクチャを開いて最初に目に入るホーム画面の人気枠に乗れる。リトボは視聴者の方が投げてくれるアイテムのひとつで、リトボを投げると見ている他の視聴者がそのアイテムをタッチするとくじ引きのようにポイントが当たったり外れたりする上に強制的にその配信者のファン登録(通称ファンポチ)される。のちにファン登録は外すことも出来るけれどそのままファンを継続してもらえたり、『当たりました』『はずれました』『リトボありがとうございました』等のコメントが増えるので、盛り上がり度はあがるし、当たったファンの方はそのままアイテムを投げてくれる。配信のタイトルに『リトボ○時○分』と入れることで、ポイント目当てに時間になると視聴者が集まってくる。頭を使っていく配信アプリなのだと感じる。しかし、このリトボは視聴者の方に投げてもらうもので、わりとコイン消費が多いもの。いざというときに『私リトボ投げられます』とおっしゃってくださる方がいると応援されているありがたみを感じる。累計ポイントとファンの数をだいぶ増やせた。夜は初めてのコンビでの配信。ミクチャはコラボ機能がなくどうしようか模索した結果、長山さんがスマホでミクチャ配信を開いて、長山さんのタブレットと私のスマホでZOOMをしてその画面をうつすことにした。

賞味期限の切れたカップ麺が土台
ここからメカ配信が定着する

ミクチャ配信にはタイトルを付ける必要がある。そしてこのタイトルの言葉選びが重要でもある。先述した『リトボ+投下時間』のように分かりやすくしたり、『○○pt達成でコスプレ』のように興味を引くようなタイトルが好ましい。私たちはこのメカ配信を引きがあると思い、問題作『男人間と女ロボット』というタイトルが生まれる。ライバルのはずのミスター大冒険。さんが"リムジン"を投げてくださる。突然のことに私たちも見てくださってる方々も慌てていると『スクショ用にリムジンいきます』と大きめのアイテムにも関わらずたくさん投げてくださった。面白いし優しい。このあとは相方がひとりで作業しながら悩み相談をしたり、私の出演した"夜なラブ"を見たり。

突然だった

【5日目:2/11(金)】
新ネタライブ『終点』がある日なので、私のお昼の配信は1時間と短めに。その代わりにライブ終演後に会場をお借りして1時間ほど、ライブ出演者であったジャイアントジャイアンさんとキウイノートさんに協力をしてもらって配信をする。長山さんがまたイベントタグの付け忘れをやっていましたが、ファンの方が開始直後に気がついて指摘してくださいました。浅井企画3組ということでやっている私たちも、見てくださってる方々も盛り上がって大きなアイテムも投げてもらうことが出来た良い配信になる。この時点ですでに周りと桁違いのポイントでラヴィンラフィンさんが1位だったので、どんな配信をされているか勉強するための"枠周り"でコメントをして絡ませておかげかラヴィンラフィンさんからアイテムをいただく。配信者は視聴者さんから投げてもらったポイントからいくらかバックのような形でポイントが入る。ラヴィンラフィンさんは、まだ直接お話ししたことのない私たち後輩にイベントでライバルにも関わらずアイテムを投げてくださる優しさを感じる。

私はコメント読み担当なのでドアップ

この時点では4位か5位あたりで、他の方々にポイントが離されていく危機を感じてライブ会場から帰宅した後もリモートで配信をすることに。長山さんは先に家に着いて配信を開始してオムライスを食べ、私はバタバタして帰り玄関でご飯を食べる。私は自分の部屋は寝室という感覚なのと虫が出ることが怖いので食事をすることを禁止しているマイルールがあるのと、台所は家族がいたので玄関で声を出さずにご飯を食べながらの配信に。相方には『便所飯?』と言われる。最後まで食べきったらポイントを投げてもらうというシステムに助けられる。寒かった。

【6日目:2/12(土)】
お昼に3時間程度の配信。ピンクもこもこ。たくさんリスナー方々に支えてもらってポイントもファンも増やせてにこにこしてる。この順調な結果に夜にひとりで配信予定の長山さんが不安になったため、急遽ふたりで配信することに。相方は予定があり23時頃にからしかできないそうなので私が先に配信をはじめておくことに。長時間やったほうがコメント数が多くなり、盛り上がり度があがりやすくなる。盛り上がり度が10万を越えると人気枠の下の方に、20万を越えると上の方に載る。スクロールをしなくても目にとまる方が初見さんに見てもらいやすくなる。

部屋が寒いのですが
暖房をつけると喉が痛くなるので
この格好になりがち

そして相方とリモートを繋げるまでの時間をひとりで配信し、盛り上がり度の数値も高くなっていた。そして長山さんから連絡が来る。私は配信中だったのでLINEのポップアップ表示画面で返信をする。

こんな感じ。配信を止めずに返信をするには
アプリを開いてはいけないのでこの方法を。


しかし、ここからが大変だった。今までは配信を始める前に先に連絡を取って長山さんとZOOMを繋げていた。今回は私がすでにスマホをミクチャに使ってしまっているため、このポップアップ表示のLINEでしかやりとりが出来ない。1からやり直すと盛り上がり度がもったいないのでどうしても配信を続けたまま長山さんとリモートを接続しなければならない。

まだどうにかなるだろうと
考えていたふたり

私は長山さんをうつすために、ノートパソコンと予備にタブレットを準備した。まずはノートパソコンを開く。この間もミクチャでは配信をし続けている。コメント欄に長山さんが参加して文字で私とリスナーの方と会話をしている。

パソコンにZOOMを入れようとしたけれどどうも固まってしまう。仕方ないので元から入っていたSkypeを開く。パスワードがどうも分からなくて断念。

同じことをタブレットでもやってみる。断念。

何か動かせるものはないかとiPodにZOOMをインストールしてミーティングの部屋を作ることに成功。このミーティングのURLを長山さんに送れば繋がるのでは?!しかしiPodから長山さんに連絡を取る方法が分からない。そこで私はポップアップ表示されたLINEから一文字ずつ手打ちでミーティングのURLを打つことに。ZOOMをやったことがある方はお分かりいただけると思うのですが、とても長くて一文字でも間違えると失敗します。httpから少しずつ打って、これは数字の0なのかアルファベットのOなのか小さな画面のiPodをのぞきこみながら打つ。あと30文字くらいになって、どきどきしながら打っていたとき、他の人からLINEが来て途中まで打っていたメッセージが消える。これを2〜3回ほど繰り返してうなだれてしまった。私は覚えていないのですがこのとき泣きながら「帰りたい!」と言っていたらしい。

いったん手打ちすることを諦める。タブレットに手を伸ばし、Gmailを使えることに気がつく。しかし長山さんのメールアドレスが分からない。長山さんにLINEでアドレスを送ってくださいと配信越しに呼びかける。分かったとミクチャにコメントがあり、LINEにメッセージが届く。しかし途中で他の人からLINEが来てしまい、長山さんのメッセージが見えなくなってしまう。なんでもいいから文字を送ってもらって長山さんが表示されるようにする。

しばらく苦労したやりとり

普段はLINEなんてそんなに来ないのになぜかこんなときに限ってたくさんの連絡が来て長山さんのアドレスが読めなくなってしまう。頭にうろ覚えで残ったアドレスを確認するために思わず画面越しに長山さんに「manzaiって入ってますよね?あ、メアドにも漫才が入ってることバラしちゃった…」と言うとコメントには『そんなことより俺が先にやっちゃってる』と長山さんからコメントが。どういうこと?と思ったら私へのLINEと間違えてミクチャの配信コメントにメールアドレスを打って送ってしまったらしい。『人気枠にも載ってるのにアドレス流失させちゃったよ』と焦る相方に、コメント欄の日頃から応援してくださってるファンの方は笑ってくれていた。ちなみに相方のTwitterのIDは『manzaiinochi』だし、衣装のスーツの内側にも『漫才命』の文字の刺繍とM-1グランプリのエントリーナンバーのシールが貼ってある。

そして何とかGmailに長山さんのアドレスを登録することに成功した。そしてiPodを見ながらゆっくりとタブレットに一文字ずつ手打ちでミーティングURLを打ち込みメールを送る。そしてついにメカ長山を誕生させることに成功した。こんな作業を1時間以上ミクチャで配信していたと思うと申し訳ないが、見てくださっていた方々は『私に出来ることありますか?』『この方法はどうですか?』『繋がるところまで見届けたい』『泣かないで』と温かいコメントをいただく。

iPod小さすぎるけど
繋がったとき感動したな

【7日目:2/13(日)】
本来は芸人仲間と出かける予定だったのですが、ひとりのかたが体調に不安を感じたために中止に。そのぶんミクチャ配信に注ぐことにしてお昼から長時間配信をしました。ホワイトボードの活用が大事だということを知る。お手洗いや飲み物を取りに行くときの退席時、電車や外出先で無音で見てくれてる方が来てくれてるときに使うと良い。夜は相方の長山さんが嫌いな納豆を食べる配信にメカもリ(リモート画面の私のこと)で少しだけお邪魔する。10万pt達成したら納得を食べるというタイトルにしたら開始10分で達成したそうです。

私は納豆は冷たいままほとんど混ぜずに
スプーンで納豆を、箸でご飯を食べて
"ねばねば"を取る用のお味噌汁も一緒に飲みます
こうすると"ねばねば"の拡散を防げる

【8日目:2/14(月)】
夜に『チョコ太郎』というライブに出演するため、お昼は簡単に配信をする。とはいっても1時間半ほど。のどが枯れてと呂律が回らない日々をのど飴でごまかす日々。最近もよくご飯を食べてると舌を噛んでしまうのですが、呂律のせいかもしれません。困る。痛くてびっくりする。そして夕方に相方と待ちあわせて会場近くのカラオケで2時間ほど配信。ここで同時間に配信していたソロデビュー'sさんにだいぶポイントを抜かされていく。焦りを感じつつ、急いでライブ会場へ。

目標ポイント達成させてもらって
なんとかポテト食べられた

人力舎の兄弟コンビしめじ弟さんにゲストでお誘いいただいた人力舎のユニットライブ『チョコ太郎』というライブ。しかしこのライブの1週間前あたりからしめじ弟さんが家に帰ってこないとしめじ兄さんがSNSでツイートされていた。大仰天・木場さんやネギゴリラ細野さんなど、他の人力舎の方々も「行方不明」についてつぶやかれていたから少しざわざわしていた。無事に当日には見つかったらしく、ライブにはいらっしゃらなかったけど、とにかく良かったです。しめじお兄ちゃんがピンでいつも通り奇天烈なネタをしていて面白かったです。私たちもネタを終えたあと、太陽の小町さんと、竹内ズさんと中MCと呼ばれる舞台上で5分ほどのお話しをしたけれど終了の合図がなったあと竹内さんが「終わらないからな!」と私の相方を掴んで相撲を始めた。そのあと私はがまの助さんと相撲を取ってから記憶がない。太陽の小町つるさんの手の温かさと、一平さんのよく通った声を聞いたときにはもう楽屋にいた。本当に楽しかったな。ミクチャのイベントも終盤にさしかかり焦りを感じていたなかで、こうやって漫才とトークでたくさん笑ってたくさん体を動かしてすごく気持ちが軽くなった。楽屋でも太陽の小町さんや竹内ズさんやサービスエリアさんと久々にたくさんお話し出来て嬉しかった。

少し検索して探すとお客様が撮ってくださった写真を見つけられると思います。床に倒れてる私を見つけてください。そしてこの日はライブの開演が20時で家に帰ったときには0時だったのと、相撲で力を使い果たしたので夜の配信はお休みに。

【9日目:2/15(火)】
お昼配信はいつも通り、芸人さんや地下お笑いライブ界隈の推し活についてみんなとお話し。取り置きの話しやライブ会場の話しは盛り上がったなあ。そして夜にコンビで配信をするけれど何か企画をしようとなり、ファンの方から『100ptごとに腹筋するのはどうですか』とおっしゃっていただき実行することに。こんなに体が動かないとは思わなかった。そしてこのあとぐらいから私たちを日頃から応援してくださっていてミクチャ配信も頻繁に見に来てくださる方々のことを"チームおおぞらモード"と呼び始める。

ライオンロックさんの配信を参考に
即席でシャボン玉を作ろうとして
洗剤を飲んだだけの長山さんもこの日か

【10日目:2/16(水)】
この日はピンでのお仕事が夕方から夜まであったので早めに朝から配信して出かけることにした。ランジャタイ伊藤さんの角刈りをするプレミア配信をみんなで同時視聴したの楽しかったな。この日に確かたまたま加藤亜実さんというミクチャでの劇団4ドル50セントオーディションイベントに参加されている方が配信にコメントをくださった。"枠周り"のひとりではあったのだろうけど、そこから私も亜実さんの応援をしにいったり、また亜実さんが来てくださったり、繋がれて良かったなと思った。もう後半戦は夜はなるべくコンビ配信にしようとしていたが、私が仕事だったので夜は長山さんひとりに任せることにした。ラヴィンラフィンさんの1位独走とソロデビュー'sさんの猛追に圧倒されたからか、長山さんは『あえてゲーム配信するわ』と意気込んでいた。そして私が帰宅して長山さんのミクチャ配信をのぞくと「えっと、ゲーム配信だと大きなアイテムが投げられないっていうことと、テレビ画面のマリオカートをうつすのはルール的にNGだからか運営さんから赤字で連絡が来てしまったので、普通に顔出し配信します」と説明していた。いつも通り試行錯誤していたみたい。

下から時系列順

あまりポイントが伸びなかったようなので長山さんの配信が終わったあとに私はひとりで配信することに。もう夜中だったにも関わらず、引き続き見てくださる方々とお話しをしているうちに深夜のテンションだからかぬいぐるみをたくさん手に持ちはじめる。そうして"幼稚園生配信"と名付けて写真を変えてアイコンに文字で入れてからなぜかファン登録が増えていく。カラフルな写真とぬいぐるみが良かったのでしょうか。ここからアイコンを宣材写真から変わったものにしていく。人気枠に載ったときに数値で隠れてしまう部分や目の引く写真や言葉を考える。

自分の配信を終えたのが深夜1時か2時頃。なんとなく人気枠に目をやる。惹かれる方がいて配信を見てみる。ゆうさぎさんという方。いつもは人気枠の配信を見ていても初見のコメントを読んでもらうのが申し訳なくてコメントはせずに終わるのですが、このときは仲良くなりたいと思い『初見ですが素敵な方で応援したいです』と書いてアイテムも送った。ゆうさぎさんはすぐに「えー!ありがとうございます!」とおっしゃってくださり、名前やプロフィールを確認して私たちのイベントを宣伝してくださったり、「私も松竹所属してて、チバテレのイベのときよく仲の良い子たちから聞いてました」とすごく丁寧に色んなことをお話ししてくださった。勇気を出して良かった。ここからよくゆうさぎさんの配信におじゃまするようになる。

【11日目:2/17(木)】
深夜までの配信をしたからか、体が重たく、ベッドから抜け出すことが出来なかった。それでも朝から長時間で配信したほうが良いと思い、そのままベッドから配信をする。朝は見ている人は少なめですが配信をしている人も少ないので、お昼に向けて長時間配信をして盛り上がり度をあげて人気枠に載っておけばお昼休憩でミクチャを開いたひとの目に止まる可能性はある。初期はお昼12時頃から始めていたけれど、後半から身につけた朝から配信はわりと上手く行ったと思う。

このあたりから3位は守らなきゃという考えが出る。1位と2位は桁が違いすぎて追いつけそうにないけれど、3位は抜かそうと思えば…の位置だった。このイベントに関わらずミクチャのイベントで上位にいられるひとは"太客"や"石油王"などと呼ばれる大きなアイテムを投げてくださる"トップオタ"みたいな方々が付いている。私たちにはそういういわゆる大きなお客様はいないけれどありがたいことに、"チームおおぞらモード"をはじめとする、配信をするたびに集まってくださるファンの方々が10人くらいいてくださった。このあたりにはもう結束が固まっていて、私はファンのみなさまと協力して配信をしていた。いかに課金をせずにコインを貯めるか。どのアイテムが還元率が良いのか。他の先輩が配信しているかどうか。人気枠でリトボを投げている人がいたら取りに行ってもらったり、私やそれぞれの方が枠周りで仲良くなった方々の配信におじゃましあったり。相方には「配信してるのに他の配信にポイント稼ぎに行かせるひといないよ?(笑)」と言われたけれど、優しいファンの方々なので『みんなでリトボ遠足するの楽しいです』とおっしゃってくださった。

夜はコンビで配信をする約束をしていたので、それに向けて1時間だけ先に配信をしておく。もうイベントも終わりに近づいてるので少しでもやっておきたいと思って始めた。そしてコンビでの配信をはじめ、まず目標を立てることにした。そして決めたのは目標ポイントを達成したらコスプレをするという配信。おかげで達成した。

私はクマ、相方は変

【12日目:2/18(金)】
また朝早めからベッドから配信をする。こうするとお昼を過ぎた頃には盛り上がり度がピークで目標ポイント達成して終えることが出来る。そして次の日が相方がスケジュール的に配信が出来ないそうで、この日の夜は任せとけと言われたのでお言葉に甘えて喉と体を休めることに。せめてコメントで盛り上げようと配信を開いてみる。ボンバーマンだった。

頭にゴムベラ刺してるの面白い

週末に時間が取れないことを懸念して長山さんの配信が終わったあとにラジオで1時間ほどおしゃべり。ラジオもやりやすいことを知る。大きなアイテムも送ってもらえることも確認。

【13日目:2/19(土)】
今日はお昼には出かける予定があったので早朝から配信をした。どのスカートが良いか決めてもらったり、カバンを決めてもらったり、髪やメイクを整えたり、みんなと悩みながら選んで楽しかったな。そして無事に準備をしてみんなに送り出してもらって出かけた。久々に会った友達は私があげたランジャタイさんデザインのマスクをしてくれていた。前回に会ったときに渡して「これつけていつかおそろいにしましょう」って言ったの覚えててくれたんだとびっくりした。「え、付けてきてないじゃん」と言わせてしまった。かわいい。ゆっくりご飯を食べて帰路へ。いつもお世話になってるので過ぎてしまったけどバレンタインという名目で自分の好きなお菓子を渡しました。ずっとリュックに入れていて奥から取り出すのに手こずって「手際の悪いドラえもんみたい(笑)」と言われました。かわいい。

そして長山さんができないぶん夜の配信を担当。翌日がイベント最終日なのに、思うようにポイントが伸びないことに不安や焦り、そしてなによりもたくさん時間を割いて配信を見てくださった方々に申し訳なくなってしまった。私の配信なのに時間や居場所を取られていた気がしてすごく悔しかった。私は見てくださっている方々に楽しんでもらった気持ちの表れとしてアイテムを投げてもらいたい。自分の時間と引き換えに毎日配信をしてきた。見たかったテレビ、聴きたかったラジオ、行きたかった場所、ゆっくり食べたかったご飯、もっと眠りたかった朝。それでも私と同じように、私たちのファンの方も時間を引き換えに配信を見てくださっていた。最初から最後まで見てくださったり、お仕事の休憩中に見てくださったり、電車など移動中に見てくださったり、勉強しながら見てくださったり。その私たちのために向けられた行動や気持ちに結果が追いついていないことにすごくショックで泣いた。

"チームおおぞらモード"の方々は弱音を吐く私に『おおぞらモードの配信には愛をもらってる』『もリさんは頑張ってます』『好きです』と言ってくれた。本当に嬉しかった。日頃からお笑いで結果を出せず、周りからも愛されてる言葉をもらえず、自分なんて意味のない人間なんじゃないかと悲しくなることがある。こんな深夜までわざわざ配信を見てくださってるだけでもありがたいのに。弱いところさえ強くしてくださろうとして嬉しかった。一緒に悔しがってくれたり、泣いてくれたり、アイテムを投げ続けてくださったり、頑張ってきて良かったなと思ったし、翌日の最終日まで気を抜かないぞと"チームおおぞらモード"で結束を固めた。意味のある涙に出来た。応援してくれてるふりして自分の欲だけ満たすひとに振り回されたくないけど、私はそんなひとにも優しくしちゃうんだよなあ。そこまでメリットもないのに。気持ちも分かるから。強く生きよう。

この日以外にももらっていたけど、一緒にイベントで戦ってるはずなのに事務所の先輩方は私たちにたくさんたくさんアイテムを投げてくださった。もりせいじゅさんも、ミスター大冒険。さんも、ラヴィンラフィンさんもたくさん大きなアイテムを投げてくださった。せいじゅさんは「冠番組は勢いのある若手にやってほしいからおおぞらモードに1位になってほしい」と言ってくださっていたらしい。リクロジーさんは表では「後輩の応援なんてしない」と言っておいて、こっそり私たちの配信に来てさっとアイテムを投げてくださった。かっこよすぎる先輩方。ジャスティンさんもいつも気にかけてくれたり、アイテムやコメントを投げてくださったりした。

元ルームシェア仲間の先輩
おもしろすぎる先輩
いつもジャージ着てる先輩
窓にサプリメントたくさん置いてる先輩

【最終日:2/20(日)】
ついに14日目。イベント最終日。23時まで。3位は守り抜くのと、新たな目指す指標としてファン登録者数で1番になろうと決めた。ここまでやってきたことが私たちもファンの方々も意味のあるものだと思えるように。累計ポイント1位しか冠番組はやらせてもらえないけれど、私たちなりの1番を掴めば運営さんもマネージャーさんも周りの方々も頑張っていたことが伝わるんじゃないか。朝はもちろん早く起きて3時間ほど。目標ポイント達成するまで朝ごはんやお昼ごはんを食べられない配信をしていた。しばらくあんまりポイントが伸びずにいたら優しいファンの方が『もリさんご飯食べてください』と"卵かけご飯"のアイテムを投げてくださった。ちょうど目標ポイントに達成するし、卵かけご飯すきだし、昔ひとりで"卵かけご飯が美味しすぎた"というタイトルで数回ツイキャスをしていた。すごく嬉しかった。

この方はもちろん、この方以外にも『本当に頑張ってましたよ』と声をかけてくださる言葉に最終日まで諦めずに続けてきて良かったと思った。配信をいつも見てくださっていたファンの方にも「3位は守りたいし、ファンの数で1番になる」と伝える。『順位だけじゃない』『チームの結束力だったら1位』『それでも1位になるとこ見たかった』『最後まで諦めません』と心強いコメントをもらった。本当にありがたかった。

今日の23時までのイベントだけれど、19時から21時は浅井企画の後輩スマッシュダンク主催のライブに出演させてもらうため、時間を見つけて劇場で配信をすることにした。私がお昼の配信を終えて、長山さんにバトンタッチした。その間に私は会場に近いのもあり一緒に配信するために長山さんの家に向かう。長山さんはご飯を作って食べたり、ポイントを投げてもらったら好きな言葉を顔に貼るということをやっていた。

私が集合体とシールが苦手なので
ぼやかしております、すみません

そして会場へ移動。慌てて準備して、楽屋で出番前に30分だけ配信。最終日ということもあり他の先輩方も多く配信されていた。ちょうど出番を終えたキウイノートがいたので配信に出てもらうことに。若くてフレッシュそのものなおふたり、配信を見ている方々を"水を飲む"という行為で魅了していく。

そして自分たちの出番とエンディングを終えてライブ終了後、主催のスマッシュダンクに協力してもらって会場を借りている22時まで配信をやらせてもらうことにした。まず浅井企画メンバーの序盤でハンドさんに目標ポイント達成したら特技を披露してもらう。

頼もしすぎる浅井企画メンバー。そしてキウイノートたいせいくんの例のシーンでさらに盛り上がる会場とコメント。ミックマキッスが来る流れ定着したの面白すぎた。

さらに目標をポイント達成したら主催のスマッシュダンクが漫才を披露してくれることに。しかしミクチャ配信イベントのルールで、イベントに参加している本人が必ずうつっていなければならないため長山さんがマイクをすることに。他のメンバーは客席で楽しむ。この日のライブで3本ネタやってるうえに、この漫才はおろしたての新ネタなのにやってくれて、長山さんも入れてくれて、YouTubeにもアップする許可をくれた。本当に浅井企画メンバーに助けられている。

そして会場を撤収する時間になり、私たちは帰宅していると時間がないのであとイベント終了までの1時間を会場近くの公園で配信することに。この間にも他の先輩方が私たちのポイントに追いつこうとしている。3位は守らなければ。

2月の夜中の野外の公園。とても暗くてとても寒かった。それでもあと1時間ということでファンの方々がたくさんコメントをくれている。公園のはじっこで自撮りしながら風の冷たさに耐えるために自販機で温かいカフェラテを買う。そわそわしながら配信を続けていた。私たちを応援してくださってるファンの方々は終了まで残り30分にはもう持っていたポイントを全て投げてくれていた。相方のスマホで配信していたので、私は自分のスマホでランキングを確認する。ここにきて他の先輩が"盛り上がり度"やポイントを急激に伸ばしていてピンチだった。

何か今からできることはないか考える。そこで自分たちの近くの人気枠に載っていたゆうさぎさんが目に入る。ゆうさぎさんは私がアイテムを送るたびに丁寧に名前やイベントのことをお話ししてくださり、ゆうさぎさん枠のファンの方々も私たちの配信に来てくださったりアイテムを投げてくださり本当に力になってくださった。このタイミングでご挨拶しようとコメントをする。するとゆうさぎさん枠のみなさんが最終日ということでたくさんのアイテムとコメントで応援してくださった。とてもありがたかった。後日ゆうさぎさんは参加されていたイベントで圧倒的1位になられていてかっこよかった。涙が素敵だった。そうしてゆうさぎさんファンの方々のおかげで先輩とのポイント差をだいぶ離すことができ、盛り上がり度も高くなり、コメント欄もさらに流れが早くなっていく。

ここで安心できないのがおおぞらモード。配信をしている長山さんのスマホの充電が残り少ないという通知が出た。ここで電源が落ちてしまうと、きちんと配信が終了できないためポイントを失ってしまう。しかしここで配信を切ってしまうとせっかく盛り上がり度が高いのにもったいない。どうしよう。さっきカフェラテを買った自販機からコンビニが見えたことを思い出す。「モバイルバッテリー買おう!」とふたりでコンビニへ急ぐ。通行人の方を映してはいけないというルールを守りながら早足で買いに行った。

そのあとは接続の不安定な差し込み口を支えながら公園に戻り、スマホを3脚に立て焚き火のように囲んだ。風から守るために手で支える。スマホの画面の明かりと、コメントだけが寒空の下のふたりを照らす。途中で酔われているであろう方々が2回ほど横を通られて絡まれないように息を殺して耐える。怖かった。イベント終了まであと15分くらい。もう出来ることはやりきった。あとはこのまま逃げ切るしかない。

どうにも寒すぎて「コメント欄にあたたかいものを書いてください」と頼む。『こたつ』『コーンスープ』『チームおおぞらモード』と流れていくコメントに相方が「確かに温かいわ」と手をスマホにかざす。ファンの方でなぜか『私も暖房つけません』と寒さを共有してくださるひともいた。優しすぎる世界。自分たちでは何も出来ず、見てくださっている方々にお願いばかりしていて本当に申し訳ない。それでも手を差し伸べてくれるみなさまに感謝しかない。

そして友達の琳ちゃんも配信を見に来てくれて『ファイヤー』とたくさん書いてくれた。そこからみんな『ファイヤー』『ふぁいやー』とたくさんの火を書いてくれた。絵文字もたくさん送ってくれた。ずっとあたためてくれた。そして無事に23時を迎えた。配信画面からイベントのランキング順位が消える。終了した。結果は3位。そしてファンの数はイベント参加者の中で1番多い2300人越え。やりきった。コメント欄も『感動しました』『泣きそう』『お疲れ様でした』『見届けられて良かったです』と。

電池が危険だったので簡単に最後の感謝を伝えて配信を終える。寒さで動かない手をこすりながら駅に向かう。私たちのミクチャ配信生活2週間が終わった。ファンの方々が最終日に"記念リムジン"を送れて良かったとツイートされていて嬉しかった。

もちろん他の方々もたくさんアイテムやコメントを送ってくださって、本当にありがとうしか言えない配信だった。他の先輩方より芸歴も人気もない私たち。運営さんから教えられた自分たちの努力で唯一ポイントを稼ぐ方法として"配信回数を多くしたり、配信時間を長くやること"ということだけを信じてやってきた。1位にはなれなかったけど、ファンの方々と一緒に地道に協力して頑張った大事な時間と達成感を味わえた2週間だった。きっとこれからもこの結束力は続いていくんじゃないか。

ミクチャ配信のなかで、推し活のことをよく話した。私も芸人さんを推していた時期がある。養成所を卒業してから芸人を目指すことを諦めてしっかりと週5土日休みのアルバイトをしていた。そして誘われるがまま養成所の同期が出るライブを見に行っていた。ライブ終演後に同期と少し話したあと、話しかけてくれた芸人さんがいた。そこからなんとなく推すようになった。そこでお笑い界隈のファンや芸人さんとの繋がりなどの知識を得た。私はその後、ずっと通っていた同期のコンビが解散して、悔しくて芸人になりたくてお笑いの世界に戻った。だから、芸人の気持ちもファンの気持ちも分かっているつもりだ。それぞれの立場や想いも分かる。全員がしあわせになれる方法はきっとない。誰かが蹴落とされたり、誰かが病んだり、誰かが得をしたり、誰かが笑っている。そういう世界。

私が現場(劇場)で芸人さんを推していた(追っかけ)ことを嫌な言い方をされることがある。女だからだろうか。みんな(男性)だって芸人さんの誰かが好きで憧れてこの世界に入ったんじゃないのか?それと一緒なのに。どうして性別のせいで揶揄されなければならないのだ。私は芸人さんが好きでライブを観に行っているだけなのに。お金を落して応援することの何が悪いんだ。ノルマに苦しまないで欲しいんだ。動いて笑っていて欲しいんだ。繋がりたいなんて思ってない。笑いたい。生で見たい。純粋にお笑いライブが好きなんだ。

繋がりたいと思っても仕方ないと考える派ですが。好きという気持ちを抑えようと苦しまないでほしい。あなたがどんな理由でも応援してくれたことはきっと芸人さんの支えにはなっているはず。しかし気持ちに応えられない理由や事情もあることだけは察してほしい。

ミクチャでも、推す・推されるの関係を学んだ。"枠周り"という他の配信者さんを見ること。これはリスナーもライバーもやる。他のライバーを見るだけでも10コインが入るし、ライバルへの偵察にもなったり、協力しあえそうなライバーさんやリスナーさんと出会うこともある。自分が1番になるには、自分の推しているひとを1番にするためには他の人も巻き込まないといけないこともある。

実際に私たちも、私たちのファンの方々以外にもとても助けていただいた。だからこそ恩返しを少しでもしたくて、声をかけていただいた加藤亜実さんや、ファンの方が声をかけてくださったライオンロックさん、私が声をかけさせてもらったゆうさぎさんの配信にはなるべく見に行ってコメントを残したり、アイテムを投げた。

私ひとりでの配信を見てくれていた見知らぬライバーの方が、私よりライバー歴が長いからなのかアドバイスをくださった。それは当たり前のことだった。『コメントを読むこと』。もちろんそうしようと思ったし、ありがたいアドバイスだったけれど、きっとそれは私が少し画面から目を離していたときにこの方から送られたコメントを読めていなかったからだと思う。そして『アイテムを投げようと思ったけど課金出来なかったから送れない』とおっしゃっていた。きっと本当にそうなんだろうけど、応援しようとは思えなかった。やっぱり口だけじゃなくて行動することって大事だと思った。だから私はなるべくライバーさんが画面に目をやっているときに大きめのアイテムを投げてコメントを残して、枠の空気を壊さないように挨拶や会話に参加して、自分を出しすぎないように、本当に応援したいという気持ちをさりげなく伝えようと思った。ライバーの立場もリスナーの立場も考えて立ち回ろうと思った。

SNSのDMやリプライでもあることだけれど、芸人だからかライバーだからか分からないけど距離感のおかしいコメントも来た。どうしようかなと思ったときもあった。どんな言葉をかけられても私たちは笑顔でいなきゃいけないという立場だということを、送っている側が分かっているのか、分かっていないのかは知らないけれど。ネットリテラシーを意識せずにいるひとってまだまだ残ってるんだって思った。ネットに限ったことではないけれど、やっぱり常に誰かを傷つけていないか、嫌な気持ちにさせていないかって心がけていたほうが良いな。どんなひとに対しても。こんなひとに対しても。

この2週間で色んなことを考えたり、感じたり、笑ったり、泣いたりした。この配信に限ったことではないけど、たまたま知り合いの知り合いで組んだ"お笑いがやりたい"という共通点だけでここまでやってこられた間柄の相方と、それぞれが何かのきっかけで私たちを知ってくださったファンの方々とこんなに一緒にひとつの目的に向かって頑張れたことを誇りに思います。

イベント終了後のランキング

この2週間で私たちおおぞらモードは約94.6時間配信したようです。私が最長で一枠で6時間やった日がありました。ひとりでは無理でした。見てくださったみなさまのおかげです。外見や性格のせいで自信がなくなり、集団行動やコミュニケーションが苦手な私がここまでやってこられたのは、やはり"もリスみか"の存在をひとりでも気にしてくれるひとがいるからなんだ。

私のことを好きだと胸を張ってたくさんのひとに言ってもらいたい。私の行動で、誰かに良いことが起きてほしい。そのために私は芸人になりたいと思った。ひとりでお弁当を食べていた私、理不尽な理由で仲間外れにされた私、急ぐ必要もないのにダッシュで帰って録画した番組を見てた私。同じような経験をしているひと、してきたひとの楽しみになりたいんだ。そんな夢に1ミリでも近づけたミクチャ配信になったでしょうか。もちろん悔いのないように頑張ったし、ファンの方々の応援も素晴らしかった。だからこそ1位になりたかったし、冠番組をやりたかった。みんなでいつか叶えましょう。もっと強くなるので。

長々と書いてしまいましたが、ここまで読んでくださってありがとうございます。私たちとファンの方々の費やした時間や労力やお金が、むだじゃなかったってことを伝えたかった。忘れたくない。大事な思い出になったし、この先の未来に繋がるように。

1位になれなかった。それだけ。にしたくなかった。それを少しでも知ってもらえたら良いなと思って書いたnoteです。何か感じてもらえたらスキ♡してもらえたら励みになります。こんな何でもない私を見つけてくださった方々のおかげで、この世界でまだどうにか生きられています。この世界でしなないように、もっと見つけてもらえますように、これからもよろしくお願いします。

美味しいものが食べたいです。

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