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妻恋う鹿は笛に寄る(自作の詩と散文)

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瀬戸内海に面する小都市で暮らし、働きながら詩や散文を詠んでいます。情景を言葉として、心で感じたことを情景にして描くことを心がけています。言葉の好きな方と交流できたらいいなと思って…
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2022年9月の記事一覧

bird

bird

『好き』とか 『愛してる』とか
   理性で抑制された
       感情ではなくて     

あなたをほしいという
   理性を飛び越えた
      動物的な欲求に近いように感じた

言葉よりも饒舌に
   肌と肌が語り合う
      抱擁を求めて
  
空を見つけた鳥が
   自然に羽ばたき
      空に向かうように
            
一目見たときからあなたを
   代わりの

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道裏

道裏

あなたのことを虐める人がいれば僕がその人を呪ってあげる。深い闇にひきずり込むような恐ろしい目に合わせてあげましょう。そうすることによって僕も一緒に深い闇に入り込むことになっても、あなたのことを守れるなら本望です。あなたがそのことに関して不幸に思うことはありません。あなたの目を見張るような美しさに寄り添えるだけで、幸せです。僕はもう汚れてしまった人間。あなたの悲しみをできるだけ遠くの方へ持ち去ってゆ

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欲望

欲望

一目見て、あなたを欲しいと思った

一目惚れだった

愛とか恋とかではなくて、あなたを欲しかった

あなたを壊してしまってでも奪いたいと思うような

ほの暗さのある強い思いだった

僕の手に堕ちてもあなたは前よりも美しくなった

ますます美しくなっていく女の虜にならない男がどこにいようか?

実際のところ、あなたの手に堕ちたのが僕になってしまっていた

僕はあなたの美しさの前に壊れてしまった

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喜怒哀楽

喜怒哀楽

喜びは育てていくもの
こころの中に散らばっている種が芽生えるように
潤いと光をあててやればよい

怒りは鎮めていくもの
生命の源にある強い力を
歌に変えていけばよい

哀しみは胸の内にあるもの
普段は気がつかないだけで
いつも息づいている

楽しみはこころの外にあるもの
探して見つけていくうちに
森羅万象、すべてがその素となる