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衣・食・柔。50歳で柔術を起点に仕事スタイルを再設定した話。

少し前ですが柔術全日本チャンピオンのホベルチ・オダ選手の九州セミナー・ツアー「CHAMPION MAKER TOUR2022ーTOP GAME STRATEGY」の企画マネジメントとPRを担当していました。福岡・久留米・長崎の3支部で総勢約50名近くの方々にご参加いただきました。様々な良いフィードバックを頂いて無事に昨日終わってホっとしています。

セミナー後の週末は、HafH発祥の地・長崎のコワーキングホテル「SAI」に滞在してリモートワークしつつ東京に戻りました。最近は物事にコミットしすぎる傾向にあるので、東京を定期的に(物理的に)離れることは、一旦クールダウンして、もう一度厳しい世界に向き合う為に今の自分にとっては大切な時間です。全国各地で"ホーム”を感じられるCarpe Diem BJJの支部道場がある事と、HafHのような働き方の選択肢を与えるユニークなサービスがあるのは本当に有り難いです。



「最近は柔術ばっかりやってるんですか?」とよく聞かれるんですが笑、半分あたっていて昨年のラスベガスで開催された柔術のコンベンション「JIU-JITSU CON2021」のなかで行われていた、マスター世代の柔術世界大会「IBJJF World MasterC Championship2021」で茶帯マスター5フェザーの部の世界チャンピオンになって、柔術黒帯を授かった事をきっかけにして、仕事のスタイルを全体的に変える事にしました。


「JIU-JITSU CON」はラスベガスで開催される一年で最大の柔術コンベンション。ラスベガスの広大なコンベンションセンターをぶち抜いて、世界トップクラスのアスリートやコーチによるセミナー、マスターワールド、その他4つのトーナメントが開催され、柔術のドーギメーカーや道場ギアなど柔術関連産業の企業ブースが並ぶ。


日本とは違いアメリカの柔術関連の市場規模はケタ違い。この年は「エムジーカンパニー」の今後のウェルネスや柔術関連事業の視察も兼ねて。今後のビジネス事を考えるとこの規模の大きさを「体感」しておく事はとても重要。アメリカで起きている事は5〜10年後に日本で起きる可能性もあり、スケールが大きくなって一般化した時のビジョンを持っておくのは大事。

具体的にはワールドマスター以前から関わっていたウェルネス事業「エムジーカンパニー」のブランディング・デザインと、所属するCARPE DIEM BJJ広尾道場のSNS等のPRとマネジメント、会員さんとのコミュニケーション設計周りを自分でお願いして担当させて頂く事にしました。赤坂の事務所にもデスクを置かせてもらって、自分なりに半年やってみた振り返りとして(51歳になったところですし)記録としてこのテキストを書いてます。

Carpe Diem Hiroo
https://www.instagram.com/carpediembjj_hiroo/
Ninja
 Face Cover
https://shop.ninjafacecover.jp/
https://www.instagram.com/ninja_facecover/

何を考えてこのマスクを作ったのか、立ち上げの経緯はこちらのnoteにまとめています。

道場の運営に関しては、SNSや広報に時間を割きつつ、柔術のブランディングについて色々と考える事が多いです。彼らが現役時代にプレゼンスを上げ、選手引退後のキャリアパスをどう描けるのか。この国内ではまだまだニッチでマイナースポーツである「柔術」を専業にして選んでいる才能達のロールモデルを考え、新しい事業をサポートすることで何か変わっていくのではないかな…と模索しています。

そのためには広尾道場の持つファシリティと、その場所に通ってくださっている多種多様なメンバーさんの繋がりに、それを開花させる様々な可能性が埋もれていると思います。広尾の道場は柔術以外にも「学び」の機会が数多くある場所なのです…しかもビジネスや研究者の黒帯から…。これは凄い事だと思うんですよね。若い世代の方に頭を下げ、教えを請うことが日常的に出来る点も素晴らしい(これ歳取るとプライドが邪魔をしてなかなか出来なくなるのです…)

カルペディエム広尾道場。広尾駅数分のアクセスの良さと東京都内では最大級のマット面積

で、そこでじゃあお前は何を学んで、どういった仕事をしていきたいのよ?という事なのですが、先日、小説家の朱野帰子さんがこんな事をtwitterに投稿されていました


思えば自分もそうやってデザインの仕事を通じて、世界の解像度を上げてテンパりながらもキャパを広げ、毎回ヨレヨレになりながらやってきたよな…。「変化を怖がらず変容を受け入れると楽になれる」「何度覚えてもいいものだな」って言えるこの姿勢と視座、朱野さんかっこいいな…って思いました。


今までアートディレクターとして自分が培ってきたデザイン、映像、写真、プロダクト制作といったスキル。そこに加えて今の新しい環境で学んでいるプロジェクト・マネジメント、SNSマーケ、ECサイトの構築やロジスティクス…。
規模的にはニッチな「柔術ベンチャー」なのですが、細部まで実際に自分で担当してやってみることで、全ての能力を別ベクトルに繋げて融合し、広義にはブランディング・デザインの新しい領域を開拓したいと思ってます。

水面下で動いている事が多すぎてアウトプットという明確な形になかなかしづらいのですが、秋口には、準備に1年以上かけてきた新しい商品がようやくローンチできそうで、今はその準備に追われています。


思えば、育児の時も「Airbnb」というサービスを使って日本中を旅して、ホストの方とゲスト…という関係を超えて仲良くなり、各地の柔術道場で出稽古する事で、その旅先で信頼できる人との繋がりができていきました。
奄美大島で、沖縄で、千葉のいすみで、台湾で、自分がホームだなあと感じられる場所が増えて、10年以上かけて育児と旅とデザインがどこかで結びついていきました。
「コリント」という名前を付けたシェアオフィスもメンバーを変えながら代官山〜渋谷〜外苑前ときて現在の四谷舟町で4箇所目。自分の中では定住ではなく、拠点を東京に置きながら様々な地域やコミュニティに接続していくスタイルの生き方の方がしっくり来るんですよね。

そうして自分のライフスタイルの中に柔術が入り込んで、「柔術」というプラットフォームの繋がりの中で、仕事面でもプライベート面でも支えられてきたなぁと感じます。無くてはならない…という意味では「衣・食・柔」です笑。

例えば道場の繋がりで、ブランド買取事業の「買取大吉」のリブランディングを出来ないか?との依頼を受けて、ここ半年間がっつりと関わらせていただいてます。組織や事業のスケールも大きく、出店や展開スピードがめちゃ早く、物量も膨大でやっている仕事も多岐に渡ります。
規模感の違うこの両輪を同時に走らせる事でお互いの仕事にフィードバックして学んだことも多いので、またの機会に書きます。この仕事も柔術での繋がりがなかったら全く関わることが無かったな…と思います。

https://www.kaitori-daikichi.jp/


日本のマーケットだけではなくて、アジアや、ラスベガスのJIU-JITSU CONで見たあの世界でも勝負をしてみたい…。見学者からプレイヤーへ。自分が関わっている事業や道場で、目標とする所に届くまでは、おそらくまだ時間が長くかかると思いますが、こうした環境の変化や変容をポジティブに捉えて、今ある「学ぶ機会」を無駄にしない事。そして柔術への恩返しの心は忘れぬよう、受けた恩は石に刻み、楽んでコツコツ積み上げをやっていきたいと思います。その新しい兆しは見えてきています。

『仕事がつまんねえんじゃなくて、面白がり方を探せないお前がつまんない。この世につまらん仕事無し』師匠の言葉です。衣食柔をこれからも充実させ続けます。押忍。


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