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提案の前にまず相手の話を聞く (『まずは小さくはじめてみる』・第5章-4)

2022年12月13日に出版される『まずは小さくはじめてみる』。
第5章のテーマは、「仲間をつくり取り組むこと」です。
具体的には、〝仲間づくりのコツ〟や〝活動の立ち上げ時に仲間と一緒に取り組むこと〟について考えを述べています。
やりたいことを形にしようと思う時、仲間の存在はとても大切です。
何事も、1人でできることには限りがあるからです。
今回は、仲間づくりの際に必要となる「提案のコツ」についてご紹介します。
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仲間やパートナーをつくるには、自分の思いやアイデアを人に提案することが必要です。
その際に心がけたい留意点がいくつかありますのでご紹介します。
 
◎まずは相手の話を聞くことからはじめる
自分のアイデアを人に提案する際、一方的に話をするのではなく、ぜひ〝相手の話を聞くこと〟から始めてください。
自分の考えを理解してほしい。仲間になってほしい。
そんな思いから、熱弁したくなる気持ちも分かります。
しかし気負いが強くなると、人は緊張しやすくなります。
また、思考が自己中心的になり、相手への配慮ができなくなることもあります。
はじめから一方的に話を聞かされる相手は、心の準備ができておらず、戸惑いを感じることでしょう。
気持ちのズレが生じたまま進む、相手への提案や相談。結果、同意が得られず話が終わり、気まずい空気だけが残ってしまう。
私も何度も、この体験をしてきました。
いただける時間の長さにもよりますが、まずは相手の話をうかがってみる。雑談のような砕けた雰囲気を意識しながら、相手の近況などについて質問してみる。
相手の話を聞くことで、相手の関心ごとを知ることができます。
また相手が叶えたいことや課題だと感じていることも理解することができます。
それらの情報を得た上で、自分の考えを相手に伝えるのです。
その際できれば、相手の関心ごとや課題と関連づけながら、自分のアイデアを紹介するとよいでしょう。
そうすればきっと相手の反応が変わります。
 
◎具体的な相談の進め方
相手の話を聞いた後は、「実は考えていることがあって」と言いながら、作成した構想メモを渡します。枚数は1枚程度が良いと思います。
第4章でもお話しましたが、考えをまとめた紙があると、相手は話の聞き方が変わります。
紙を見てもらいながら行うアイデアの説明。
最初の目標は、関心を持ってもらうことです。
主に「理由や背景」についての情報を、コンパクトにまとめながら話します。その際、相手の〝共感や驚きの感情〟を刺激することを意識します。
「実は」で語れること。具体的なエピソードなど。
これらを相手の琴線に響くよう、言葉や内容をアレンジしながら紹介します。
これが、冒頭で相手の心をひきつける〝つかみ〟になります。
「理由や背景」を述べた後は、それを受けてどんなことに取り組みたいのかを伝えます。
その際できれば、第3章でお伝えした〝三方良し〟に配慮した概要説明を行うと良いでしょう。
関わる人たちみんなに、喜びが生まれる取り組みアイデア。
相手はきっと「それはいい取り組みですね」との感想を抱くことでしょう。
続いて、この取り組みに関わることで得られる「相手のメリット」を伝えます。
これも、相手の願望や課題に関連づけながら、内容をアレンジすると良いでしょう。
その後、具体的な実施アイデアと課題の説明を行います。
第4章でご紹介した「HOW」と「課題」の情報を紹介します。
具体的に、いつ、どこで、どのようなやり方での実現を考えているのか。
また、現在どんなところに課題を抱えているのか。それを正直に伝えます。
そして、「その課題を解決するために、力を貸してほしい」「仲間になっていただき、一緒に活動に取り組んでほしい」、そんなメッセージを相手に送るのです。
話をする際は、相手に楽しさやワクワク感を感じてもらうことも大切です。
人は〝そこに楽しさがあるかどうか〟で、意思決定を行うことが多いからです。
論理性だけではなく、情緒性も刺激できるような提案や相談。
これらを意識しながら、思いを相手に届けてください。
 
◎相談後について
大切な意思決定をする際は、どうしても時間がかかるものです。
相手からの返事は、後日あらためてでも良いと思います。
もし快い返事が得られたら、次のステップを伝えておきましょう。
オンラインで企画会議をする。
メンバー全員での自己紹介の機会をつくるなど。
できるだけ相手が、関わることに楽しさを感じるようなネクストステップの提案をするのです。
もし相手から期待通りの返事が得られなかったとしても、話を聞いてくれたことへの丁寧なお礼の言葉を述べるようにします。
人にはそれぞれ事情があります。
それを真摯に受け止め、気持ちの良い関係が続けられるよう心がけておきます。
その良好な関係性が、人の紹介など、新たな縁をもたらす可能性があるからです。
 
◎提案や相談は双方向のコミュニケーション
提案や相談は、双方向のコミュニケーションです。
双方向のコミュニケーションは、キャッチボールのようなものです。
まずは近況をうかがい、相手にボールを投げていただきます。
その際相手がどんなボールを投げるのか、話す内容や話し方をしっかり確認をしておきます。
ボールを受け取ったら、今度はこちらが投げる番です。
その際、相手が投げたボールを意識しながら、返す球を考えます。
相手がゆっくりしたボールを投げたのに、こちらが豪速球を返せば、相手は驚き戸惑います。
相手を理解し、相手に合わせた内容や話し方を心がけること。
こちらから一方的にボールを投げ続けるのではなく、相手の意見や感想を聞きながら、丁寧にキャッチボールを行うこと。
これが双方向のコミュニケーションです。
このようなコミュニケーションによって、提案や相談の成功確率は高まります。
 
ヒント34:まずは相手を理解する。それが提案の成功確率を高めるコツ。 


第5章では他にも、
◎仲間づくりの大切さ
◎男女のバランスを意識したチームづくり
◎仲間とは別にパートナーをつくる
◎仲間と行う企画づくりの話し合い
◎チームで考えること、決めること
◎活動を継続し魅力を高める7つのヒント
というヒントをご紹介しています。
 
もしご興味を持っていただきましたら、本をお手にとっていただけると嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。^^


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