今回は、和仁・百年浮世絵『天下蕎麦四季歌』に描き込められた数々について語ります🎨
▼前回:浅草橋・手打ちそば和仁(わに)さんの名物料理『蕎麦・鴨・クエ・日本酒・蕎麦のスイーツ:チーズケーキとわらびもち』があります、こちらからお読みください。
◆制作の準備 日本の画風というもの
これだけではないのですが、「日本人が何を見てきて、どう感じてきたのか」、それから「西洋の文化の影響を受けてからは、日本人は何を大事にし、そして今に守り伝えるのか」、「何をもって日本や和というものを感じているのか」。
また「忘れ去られたその時代の記号的意味のデザイン」(そこには、愛、喜び、楽しみ、嬉しさ、悲哀、富、健康、長寿、ユーモア、逞しさ、したたかさ、可愛らしさ、粋な生き方、など豊富で豊かな感情・文化が溢れる)について、時代を生きた人々の生活を理解し鑑賞し、そして現代に繋がるデザインを考える上で、デザインを創るための深堀していきました。
このあたりの話、活気溢れる江戸人の暮らしなどもまたいつか書きます。
◆和仁百年浮世絵 百年耐えうるデザインを。
手打ちそば和仁さんが発展するように。百年耐えうるようなデザインを。昔からあったような日本人心象風景として心に溶け込むもの、それでいて独創的であり、そして未来への願いが込められている画を描きたいと着手しました。日本の画、和食文化の歴史も勉強して真意を捉えるのに数か月、様々な画風や技法を掴んで制作するのに数か月を要しました。
ゼロから、当時の食器や衣服のデザイン、船の構造をはじめとして、創り上げるには、大量の考証が必要でした。
和仁さんからは、いつでも構いませんと言って頂いていていたので、最高のものを創ろうと鋭意を込めました🥰
◆手打ち蕎麦 和仁(わに)
◆和仁歌に込めた物語
◆和仁歌の解説
天下の将軍となれば、諸国から美味しい情報、腕利きの職人の存在などが入ってきます。
そこで、将軍は評判の和仁を呼び、手打ち蕎麦を食べたいと所望しました。
そこで、一興を。単に美味しいものを食べるだけでは勿体ない。愛する姫君と友人達と、今でいうと、海辺のキャンプですね!当時のグランピングかも。美しい日本の自然の中で楽しく食事をしました。これは忘れ難い思い出となりました。
当時の日本の画を見ると、将軍と姫が揃って食事をするものは見つけられないのですが、今の時代、家族・夫婦・カップル・友人で、楽しい食事のひとときを迎えることが自由にできます。その現代を織り込みました。
また、日本の海・浜・山・湖・森・林・野原・川・畑の風景、美しい桜、富士、松などの日本人が愛する心象風景を詰め込み、寺、神社と伝統継承を担ってきた信仰対象も描き込みました。
この素晴らしい、将軍の蕎麦会の話は、世界にも広まりました。
そして、異国からも、和仁の手打ち蕎麦を食べたいと、やってくるようになるのです。
今、飲食業は辛い状況にありますが、いつか、世界の人たちにも和仁の蕎麦を食べに来て欲しい(インバウンド。おもてなし精神)という願いです。
この画は、日本の伝統、日本人の愛するもの、大切にするものを受け継ぎながら、新たな時代への夢を描いているのです。
ぜひ、画を楽しみながら、和仁の蕎麦料理をお楽しみ頂ければと思います。また、引き続き、和仁さんに美術を提供していくと思いますので、お楽しみに🥰
(画の中に、大樹七海がいます。海の波模様の着物を着て、画を描いています。見つかるかな?また、画家の目を通して、この風景全体を見ている皆さまを現している、という視点の人物としても描いています。)