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崩壊の危機からこうして脱却した!!

前回からの続きです。

部署崩壊の危機を免れた栄養科、一日おきく
らいに様子を見に行きますが、日に日に雰囲
気が良くなっていることが実感できます♪
何よりも、科長や主任が不在でも、情報収集
ができることが嬉しい。
誰か1人いれば、話が聞けるのですから。
ケーキ2個の力、恐るべし!
1個じゃこうはならなかった(笑)


でも、以前の状態に戻っただけなので、せっ
かくの機会(滅多にない崩壊の危機)を生か
さない手はない・・・
何か出来ないか・・・

折しも、数ヶ月後に病院の100周年を控え、
各所準備に大わらわです。

A科長:ちょっとご相談が・・・
私:何?
A科長:100周年に「特別食」を出したい
    と思うのですが・・・
    患者さんと一緒に100周年をお祝
    いしたいのです。
私:おっ、いいね。
  早速理事長の合意をとろう。

プロジェクトを立ち上げるプロセスのOJT
(On the Job Training)にもなります。
秘書に「急ぎの相談があるから、今日のど
こかで2分30秒アポ取って」
秘書:本当ですか?10分とかダメですよ!
私:じゃあ5分ならいいのね♪

普段控えめなA科長からの提案に、理事長も
ご機嫌です。
企画書を作って稟議に上げるよう指示を受け
プロジェクトのスタートです。
その日のうちに部署会議でスタッフに話をし
たA科長、全員から合意を得た上で、翌日の
業務終了後に1時間、ミーティングの時間を
設けます。
ミーティングには委託先の管理栄養士と調理
師にも参加してもらいます。

企画書を作るにあたって、まずはメニューを
決めないと予算も工程も出せません。
大量の付箋紙と模造紙を用意して、私もミー
ティングに同席します。
そう、「ブレインストーミング」です。
私の役割は、ロールプレイの説明係兼雑用係!
主役はスタッフ達です。


最初はぎこちなかったスタッフ達も、2~3回
目になると率先して意見を出し合い、活発な
ディスカッションが行われていきます。

そして出来上がった「企画書」を持って、A
科長と理事長室へ。
A科長:出来ました!
理事長:いいね、良く考えてある。
    稟議に上げて。
A科長:できればデザートに「煉り切り」を
    付けたいのですが・・・。
私:そうすると20万円ほど足が・・・
  (100年に1度のことだから・・・)
理事長:良いよ、僕がポケットマネーで出す
    から!

栄養科へ戻り、スタッフに報告すると、
全員:バンザイ\(^o^)/

委託先のエリア・マネージャーに話を通した
り、お菓子屋さんと「煉り切り」のデザイン
を協議したり、当日の工程を見直したり、広
報と打ち合わせをしたりと、月日はあっとい
う間に流れていきます。

ルーチンワークで忙しいうえに、余分な業務
が重なって、みんな大変なはずなのに、誰ひ
とりとして文句を言いません。


大成功に終わった翌日、B主任が部屋へ訪ねて
きました。
B主任:ありがとうございました。
    はじめて私たちの意見が通りました。
私:違うよ、みんなが意見の通し方と聞き方
  を知らなかっただけだよ。
  やり方が分かったから、もう大丈夫だね。
B主任:はい♪


仲良くなるには「酒を飲む」か「喧嘩をすれ
ばいい」という、単純な発想の持ち主である
私! 次善の策が「共同作業」です。

今回の共同作業を通じて、栄養科にはコミュ
ニケーション
の習慣が根付き、自立した最強
の組織
に成長していきました。

さらにこの特別食が市の広報紙や業界紙に取
り上げられ、その功績で次の人事考課では全
員が「S評価(最高)」となり、普段よりも
多い賞与を頂きました!!


今回「ブレインストーミング」という手法を
用いましたが、科長・主任はリーダーシップ
研修で経験しており、知ってはいました。
でも「使う」ことが出来なかったのです。

重要なのは「知っている」ことではなく、
「使える」こと
です。
「Can」じゃなく「Enough」ですね。


長々とお付き合いいただき、ありがとうござ
いました。
このエピソードが何かしら皆様のお役に立て
れば幸いです。




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