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大分県IT業界で働く|ファンファーレグラフィクス 有延明乘さん

こんにちは、末綱です。今回は、アートディレクターかつグラフィックデザイナーである有延明乘さんをご紹介します。有延さんは別府市に位置するシェアオフィスを拠点にフリーランスとして活躍されています。

有延さんが手掛ける事業は、ポスターなどの広告デザインはもちろん、ロゴデザインエディトリアルデザイン(雑誌や書籍のデザイン)、webデザイン(コーディング以外)、パッケージデザインなどグラフィックに関すること全般です。

街なかで普段何気なく目にしているデザインも有延さんが手掛けているものかもしれません!

まずは有延さんのはじまりから見ていきましょう(^o^)/


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写真:有延明乘さん(ファンファーレグラフィクス代表)/アートディレクター、グラフィックデザイナー



グラフィックデザイナー有延さんのはじまり

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写真:有延さんの作品集(Pinterest参照)

Q.デザインを始めたきっかけはなんですか?もともと勉強されてましたか?

有延さん
大学の専攻はグラフィックデザインです。ただ、当初はそれほど志を持ってデザインを始めたわけではないんですよ。高校も普通科で、もともとなりたかった職業も違うんです。ただ絵を書くのは小さい頃から好きで、小学生の頃から絵がうまいとは言われていたんですよね。学年に絵が飛び抜けて上手い人とか何人かいるじゃないですか。一応その部類には入っていて、高校の時は3人程いたんですけど、その内の1人が、”芸大に行くために絵の塾に行く”と言い出したんです。その時に、その友人から”一緒に塾に行ってみない?”って誘いを受けて、行ってもいいかなと思ったのがきっかけですね。

Q. そこからもうデザインの道ですか?

有延さん
高校3年生から絵の塾に通いだして、毎日朝8時半頃から終電までずっと絵を描いていましたね。基本のデッサンや色彩構成から学んで、先生から課題のテーマを与えられて、最後は絵の具できっちり仕上げ、皆で批評しあう。そこまでが1日のルーティンでした。でもそれくらいしないと普通科出身の人が芸大には受からないんですよ。


これまで続けてこれたのは”好きだから”

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写真:有延さんの職場、別府市の起業家のためのシェアオフィス(Alliance Social Share Office Beppu)Facebook(@ASO.Beppu) 参照

Q.独立後最初から仕事はきてましたか?

有延さん
いやいや来てなかったですよ。

Q.どうやって仕事をもらうんですか?

有延さん
ここのシェアオフィス(Alliance Social Share Office Beppu)の方からいただいたり、前職の広告代理店からだったり、当時お付き合いのあった企業の方々からいただいたりですね。独立してこれまでやってこれたのは少なからず周りの皆さんの支えがあったからで、自分一人の力だけではありません。紆余曲折を経てですが、勤めていた当時から自分がやってきたことは間違いじゃなかったなと思えます。
はじめこそのきっかけは不純でしたが、結局今現在も続けられているのは好きかどうかなんですよ。正直徹夜することもあれば、帰れない時もあるし、自分のしたいことができない、友達と遊べないときも結構あります。理不尽なこともたくさんあるし、トライ&エラーの繰り返し。世間一般が想像する横文字職業のデザイナーというきらびやかなイメージとはかけ離れて地味なんです。でもなぜ続けられているかというと、好きだから以外なにもないんですよね。
なぜ好きになったのかって言われると、自分が手掛けた仕事が世に出ることは誇らしい部分でもあるし、苦労してきた甲斐があってようやく日の目を見れた達成感があるから続けられるんだと思います。



デザインの実力者が教える! 「デザインの勉強法」

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写真:有延さんの制作物(Pinterest参照)

Q.Webデザインにも興味があって、今後勉強していきたいなと思っているんですけど、どうやったら上達しますか?

有延さん
自分は、グラフィック畑出身なのでWebデザインにそれが当てはまるかわかりませんが、まずは、真似をしたらいいと思います。既存のサイトを真似して作ってみる。デザインまるごと真似るのは盗作になりますけど、デザインのレイアウトとかであれば大丈夫なので、はじめは真似することからでいいと思います。数をこなしていくと、段々と良いデザインの特徴が掴めてきて、反対にそぐわないデザインというのがわかってくるので、それを除いていけば一つのデザインができてくると思います。ただ、オリジナルのアイデアを生み出すにはまた別の力が必要で、お題があったらマインドマップのように関連するワードを次々に紙に書き出していくといいですよ。
あとは今TVやYoutubeで流れてる武井壮さんのCMが的を得てるんじゃないかなと思います。”頭一つ抜け出せ”って言葉は、個人的に結構真理を捉えてるなと思うんですよ。努力しないとダメですよって。よくSNSで”3日間で身につく勉強法!”とか見るじゃないですか。Webデザインに多い気がします。今は要領よく生きていく時代なのでそれで成功している人もいると思いますが、そんな簡単に身につく方法は信じがたいですね。武井壮さんのCMでも“簡単に身に付く力はすぐ追い抜かれる”って言ってますし。(笑)デザイン一つにとってもしっかり理由があるので、どこまでを想定して作っているのかが良いデザインを創造していく鍵だと思いますが、結局は努力あるのみだと思います。


グラフィックデザイナーという役割

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写真:有延さんの制作物(Pinterest参照)

Q.仕事で大切にしていることはありますか?

有延さん
僕らグラフィックデザイナーは新しい価値観や付加価値を創造して、市場の共感を模索して行かなきゃならない職業だと思います。その中でどれだけの最大公約数を出せるかが鍵だと思うんですよね。それをグラフィックと言う見た目の一瞬の時間で展開しなければならない。ただ独りよがりで作ったデザインがかっこいいでしょ、かわいいでしょでは誰も共感してくれません。しっかりと自分が組み立てたもので経済を動かさないといけないから100人いたら、70人、80人くらいの共感を得る必要があるんですよね。
デザインはコミュニケーションという考えに近しいですが、例えば何かのイベントの宣伝のためにポスターを作ったら、それを目にした人たちがどう動くか。こちらが投げた言葉がポスターだとしたら、消費者の方たちが見て行動するのがお返事であって、そこで初めて良いコミュニケーションが取れている、市場のコミュニケーションが取れているということなんです。いいものに対しては人が動くし、だめなものに対しては人は動かない、本当にだめな時はお客さんが全然入らないって言われることもあります。


1つのデザインが成り立つまで

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Q.デザインをするときに、上記で述べた最大公約数を当てていくためにはどういう工程を踏みますか?

有延さん
例えば、売りたいものがあるとしたらそれをまず調べます。調べたら今の世の中いくらでも情報は出てくるので、洗い出します。次に、競合他社の同じようなモノがどういう風にプロモーションされているかとか、どういう販促物が作られているかを同様に調べます。調べていく内になんとなくですが、出来上がりのイメージが頭に浮かんできます。頭に浮かんだイメージをラフに起こします。ある程度、強度の高いラフができるまで何度も書き直します。その後、ラフに沿ってPC作業。と言った感じですね。そのあとは完成するまでトライ&エラーの繰り返しです。
チラシやポスター、パンフレット、webもそうですが、それぞれで用途や利用者、条件が異なるので、そういうのを加味していくと自ずとデザインの原型が浮かんできます。ただ、ぱっと浮かんだものが必ずしも良いものとは限らないので、制作していく過程で変更することもしばしばです。あとは、制作するものが今の時代にマッチしているかどうか、常に周囲にアンテナを張っておくことも必要です。

Q.デザインはいつが終わりですか?こだわろうと思えば、いくらでもこだわれそうで終わりがわからないです。

有延さん
これもどれだけの数を制作したかによって、身についてくると思います。いくらでもこだわろうと思えば永遠にこだわれますけど、時間の制約もありますし。基本的にデザインは「伝達する力」が主な役割だと思うのでシンプルなものが好ましいです。ごちゃつくと伝わるものも伝わらない。Simple is best. なんですが、そこはクライアントとのヒヤリングでどこまで求められているかを判断します。クライアントがシンプルを求めているのか、色々情報を入れてほしいのかにもよるので、クライアントと相談しながら仕上げます。情報を色々入れるとごちゃごちゃして伝わりづらいから余計なものは削ぎ落としたいんですけど、クライアントからの希望をまずは反映しながら制作します。あと、予算とかアイデア、納期とかも関係してきますね。


グラフィックデザイナー有延さんのこれから

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写真:別府市と別府温泉を更に世に広めるための別府市のロゴマーク(有延さん考案)

Q.今後のキャリアについて教えて下さい。

有延さん
とりあえずは食べていけること。それがベースにないとどうにもできないですからね。また心がすさむとデザインにも影響が出るんですよね。(笑)よいものを作るためには心穏やかでないと。(笑)
あとは、事務所を構えて雇用を生み出すことですね。企業から受注をいただくためにさらに信頼を得るためにも事務所を構えたいです。それが増えれば雇用にもつながりますし。また、グラフィックデザイナーとしてなにか大きな仕事をしてみたいです。例えば、ロゴを作るのが好きなのもあって、日本全国のキャンペーンのロゴとか手掛けてみたいです。(笑)

Q.今後もずっとグラフィックデザイナーとしてやっていかれますか?

有延さん
恐らく死ぬまでデザインを作り続けると思います。好きなんで。(笑)知らないこともまだまだあるのでデザインの幅を広げるためにも日々勉強ですね。



今回は、アートディレクターかつグラフィックデザイナーの有延明乘さんをご紹介しました。
いかがでしたでしょうか?

これまで日常にあったデザインの多くが有延さんの制作だと知って本当に驚きました。デザインの幅も広くて本当に圧巻ですよね。
”デザインはコミュニケーション”、デザインは想像するよりもずっと奥深いことがわかりました。何気なく目に入ったデザインにも一つ一つ理由があって、なぜそうなっているのか、製作者の意図にも注意しながらデザインを見るのも面白そうだと思いました。

有延さん、インタビューのご協力ありがとうございました。
それでは、また次回です^^
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。



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