- 運営しているクリエイター
#小野美由紀
自己認識について、炎上YouTuberに代表される『自分教』の罠、破滅に向かう思考の話
私には向井さんと言う凄腕のカウンセラーの友達がいる。彼が言っていた「自己認識」についての話が面白かった。
「オプラ・ゲイル・ウィンフリー(Oprah Gail Winfrey)って知ってる?オバマの出資者で米国で最も裕福な黒人なんだけど、彼女が流行についてのカンファレンスでこの前言ってたことなんだけどね、今、アメリカの流行の第一位は『自己認識』なんだよ」
「自己認識?」
「そう。自己認識。ま
社会の役に立っている実感のこと
6月某日
編集者さんと打ち合わせ。12月刊行予定の長編小説について。
なんだか調子が悪い日で、ぼんやりして財布を家に忘れ、半泣きで家に戻り、電車に乗ったら明治神宮前で降り過ごして20分遅刻。死にたい。死にたいけど死ぬほどお腹が空いていたので待ち合わせのお店でフレンチトーストを食べた。美味しかった。AALIYAのフレンチトースト、むっちゃふわふわ。
プロットにひねりがない事を心配して今まで最終
専門学校に行きたかった話
SNSを眺めていたら、写真家の荻野直之さんのウェブサイトが流れてきたので、久しぶりに彼の作品を見る。
荻野さんは医大を出た後、電通に勤めて、辞めて、写真家になった。
インドネシアの奥地のシャーマンの写真や、ウズベキスタンのバレリーナの写真、京都の祇園の置屋での舞妓さんの写真など、神秘的な女性を中心に撮り続けている。
窃盗で逮捕された元彼の知り合いで、紹介してもらって仲良くなった。
私が最初
”言葉にならない”時間の価値
クリエイティブライティング講座で名古屋へ。
講座の中で、私はいつも
「できなくてもいい。創作をするとき、最初の着想を得てから、それが作品として形になるまでの"タイムラグ"は人それぞれだから、すぐに書けなくても気落ちせず、自分のタイムラグを探るつもりでやってほしい」
と生徒さんたちにお伝えしている。
文章を書くとき、テーマを与えられてから、ものの数分で取りかかれる人もいれば、半日、1日、また
時代が俺に追いつく気持ちで
小説「ピュア」がSFマガジンに掲載される。
この小説は私が3年前に初めて書き上げた小説で、「メゾン刻の湯」よりも前で、特にどこに出すあてもなくて、一人でなんどもなんども改稿を繰り返していた作品だったので、今回掲載していただけて大変、嬉しい気持ち。
第一稿を書き上げた当時、オープンリーレズビアンである友人兼編集者に見せたところ「こんなテーマ、書いたのが村上春樹でも私は読まない」と一蹴され(彼女は
感情をやりとりしないでいるうちは、人間は仲間にはなれません
自律神経がガタガタなので数年前からお世話になっているカイロプラクティックの先生の所に行く。
先生は、うーんと、どこで知ったのかは忘れちゃったんだけど、その人の身体の悪いところを1発で当てることで有名な先生である。「絶対触感」の持ち主で、相手の頭蓋骨を指先で軽く触るだけで、その人の現在の状態やメンタルの不調を見抜き、それがどこから来ているのかを言い当てる。それだけ聞くと「やだ、オカルト」ってなるん
あそこにはなくて、ここにはある
3月某日
取材で大阪へ。大阪に来るとホーチミンを思い出す。電車の車幅の狭さとか、狭くて天井の低い地下街に美味しそうな食べ物の匂いが溢れてる感じとか、人がごちゃごちゃしているところとか、BGMが派手なところとか、人の声が大きいところとか、あと灰色のくすんだ駅とか、全部ひっくるめてアジアっぽい。
社会学者の岸政彦先生にお話を伺う。岸先生、朗々と心地よいトーンの声で話される。すごく会いたかった人に仕
よい感想をぽんと言える人
文筆家の佐藤友美さんから、とても嬉しい本のレビューをもらった。
私は感想をもらうのが苦手だ。もちろん、もらって嬉しくないということは絶対にない。けど、なんだかちょっと気恥ずかしい。悪いなあという感じがする。多分、自分の書いた作品を読み直すことはほとんどないし、原稿が手から離れて、編集者さんに渡った瞬間に「過去のもの」になってしまうからだと思う。一度手から離れた原稿は自分のものという感じがしないし
自分の中の”神様”に向かって書く
いきなりスピっぽいタイトルですみません。でも、文章の話です。
梅の花が散り、空の上の方が透明になり始めると、ああ、春だなあ、と思い、重たい雨が降る日にはまだまだ冬だなあ、と感じる。やっと2019年が訪れたような気分。
2018年は修行の一年だった。小説も出たし、オンラインサロンやnoteの有料マガジンを始めたりして、「上々じゃん!」と思われることも多かったが、とにかく私にとっては苦しい、試行錯