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町民による町民のための場づくり|カメラマンとめぐる尾道_第7回(原田町)

今回は全8回のシリーズ企画第7回
尾道にゆかりのあるプロカメラマンと、尾道市地域おこし協力隊が市内をめぐり、各地で撮影した場所やひとの情報、撮影について学んだ内容をinstagramnoteマガジンで発信します。

この企画の投稿や記事を見ながら、カメラ片手に尾道各地をめぐってみてくださいね(尾道への交通手段をまとめた記事はこちら)。

1. エリア・テーマ・講師のご紹介

第7回の舞台となるのは、原田町(はらだちょう)
広島県尾道市の北東部のエリアで、山もあれば谷もある農村地域です。古代の窯跡が残っているほど昔から芸術文化が盛んなまちでもあり、現在も多くの陶芸家や画家、工芸家がアトリエや工房を構えています。

尾道駅からは車で20分程。山間部のため車でないと行くことが難しい一方で、新幹線や長距離バスなどの発着地がある福山市と隣り合っているため、都市部へのアクセスが比較的しやすいのも特徴です。

全8回の企画のうち、初回はカメラの基礎知識を学ぶ座学、2回目以降は実践編で市内各地を撮影しながら撮影方法を学びます。各回研修テーマを設けていますが、第7回のテーマはこちらです(テーマの一覧)。

〈第7回のテーマ〉
広角 / 標準 / 望遠

今回の講師は、東京の映画会社で勤務後フリーに転身し、数多くの国民的ドラマやCM、人気歌手のMVなどのカメラマンを勤めた後、現在地元の広島を中心に写真、動画、ドローン撮影で活動中の信重直希さんです。

2. カメラ研修

内容に入る前に、研修の大まかな流れを改めてご説明します。

まず「①全員で被写体を撮影」し、「②協力隊2名が自分の写真を選択」します。それから「③撮影意図と疑問点を発表して講師からフィードバック」を受け、それをもとに「④再撮影」し、最後に「⑤講師の撮影した写真を見て質疑応答」をします。

前提として、写真はInstagramとnoteで使う写真を想定して撮影しています。

2-1. 協力隊1人目(選んだ写真)

協1:「1枚目は、広角でお店の様子を伝えるもの。2枚目は、店主さんのこだわりの内装が伝わるように標準で撮った一枚。3枚目も広角で、ラウンジとして使われている旧校長室を撮りました。」

信重さん:「広角、標準、望遠というのはカメラレンズの種類のことです。1枚目と3枚目で使っている広角レンズは、"情報量"を伝えるレンズだと思ってください。人間の目に近いレンズなので、自分の目で空間を見て綺麗だなと思うものを、そのまま撮ってあげるといいですよ。」

信重さん:「写せる範囲を角度で表したものを画角と言って、画角はレンズによって異なります。手元にあるものや、机の上にあるものを撮るときは標準レンズを使って、遠くのもの撮るときは望遠レンズを使います。」

信重さん:「もう一つ画角の話をすると、この四角枠のなかにいろんな情報を綺麗に収めてあげることが大事です。角まで意識して、背景も何を写すかを気にして撮ると、写真の出来に違いが生まれますよ。よくカメラマンが手で四角をつくって見るのは、そのためなんです。」

POINT
・広角レンズは多くの情報を伝えられる
・写せる範囲(画角)はレンズによって異なる
・四隅や背景まで何を写すのか意識して撮る

2-2. 協力隊2人目(選んだ写真)

協2:「3枚とも標準で撮りました。1枚目は、撮ったパンフレットと飲み物の写真。少し暗くなってしまいました。2枚目は、飲み物をアップで撮った写真。3枚目は、窓越しに店主さんを写した写真です。」

信重さん:「標準レンズで撮るときには注意点があります。背景をボケさせて被写体だけにピントが合う写真は、F値(絞り値)を小さくして撮りますが、F値(絞り値)を小さくすると、シャッタースピードが速くなり、画面が暗くなります。カメラに取り込める光の量が減るからです。」

信重さん:「そういうときは、ISO感度と言う光を感じる度合いの数値を高くします。ISO感度を高くすると、シャッタースピードが速くなって、暗い場所でも明るく撮れます。ただし、ISO感度を1600以上に設定すると、画面がザラついて画質が悪くなります。」

信重さん:「あとは、3枚目のように人物を撮るときは望遠レンズもおすすめです。遠くからアップで撮れるので、近くで撮るより被写体が緊張しにくいんです。」

POINT
・背景をぼかしたい写真を撮るときは明るさ注意
・ISO感度を上げると明るく撮れる
・望遠レンズは被写体の自然な姿が撮れる

3. プロカメラマンが切り取った原田町

ここまで協力隊の写真とプロカメラマンからいただいたアドバイスをご紹介してきましたが、今度はプロが撮影した写真とコメントをご紹介します。

標準
望遠
広角
おまけの一枚

信重さん:「世界中どこを探しても、人間の目が最高のレンズなんです。だから自分の目で見て、すごい!と思ったときに、その一枚を撮るのに適したレンズを選ぶといいですよ。」

4. 原田町で出会ったひとやもの

最後にあとがきとして、今回原田町で出会ったひとやものをご紹介します。

Perch Cafe & 店主の清水さん
尾道市原田町出身。2015年にカフェを開業。一昨年にテイクアウトもできるよう店を改装し、現在の姿に。地元の方が焙煎したコーヒーと、町内でイタリア野菜を育てている農家さんの野菜を使った料理がカフェの自慢。

instagram @perchcafe

原田芸術文化交流館やまそら
旧原田中学校をリノベーションしてできた交流施設。「企業ではなくて、地元のひとたちでやっているのが自慢なんです」と清水さん。町内会の有志で改装し、音楽室は誰でも使えるライブ会場兼練習室に、校長室はラウンジになりました。各部屋を貸し出して、清水さんのカフェや手芸店などの常設店や、マンガ教室の単発開催もあります。キャンプ施設も計画中だそう。

公式サイト https://www.yamasora-onomichi.com/

はらだの湯 (旧原田町ゆうじん温泉)
原田町の誇る秘湯。昔ながらの薪をくべるスタイルの温泉で、域外からも多くの温泉好きが集まります。露天風呂もあり、山の森林からの新鮮な空気に包まれながら入浴できます。マイボトルを持参すれば、露天風呂か施設外の水汲み場で日常使いできる温泉水が持ち帰れます。

〒722-0202 広島県尾道市原田町梶山田4476-1 (地図を見る)

いかがでしたでしょうか。これまで全8回、尾道各地のさまざまなエリア情報と、カメラ講座の内容をご紹介してきました。よろしければ以下のマガジンより1~7回もご覧ください^^

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