Deliciousuness おいしい知覚

49

はじめに

2016年に書いた「Deliciousness おいしい知覚」を定期的に少しづつアップしていこうかと思います。 はじめに 建築を学び始めてからこれまで、「なぜ、何を、どうつくるのか」をずっと考え続けてきた。 ホームページ上のブログはそれをいつでも振り返られるようにと書き続けたその記録である。しかし…

Why なぜ/知覚

なぜつくるのか。これは一番根源的な問いだと思われる。生態学の視点はそれに対していくらかでも応えてくれそうに思えた。 おいしい知覚 おいしい料理、もしくは料理がおいしいとはどういうことだろうか? 味が良いことや、彩り、誰と食べるか、どんな状況で食べるのか、その料理の背景にある物語や…

Why なぜ/知覚 補足

■『生態学的視覚論―ヒトの知覚世界を探る』 1979(翻訳1985)J.J. ギブソンギブソンは概念的・物理学的な世界ではなく、動物にとっての環境を記述することを徹底した。そこで描かれたのは、動物が知覚と行為によって能動的に環境と関わっていく豊かな世界観である。科学的な是非は判断すべくもない…

What 何を/環境

何をつくるのがよいのか。 それは、この流れで言えば「それによっておいしい知覚が可能となるもの」と言えるだろう。 では、「おいしい知覚」にはどのようなものがあるだろうか。思いつく限り挙げてみたい。 ただし、これらは互いに関連しあったり重なりあったりするもので便宜的に分けたものにすぎ…

おいしい素材 ~それがそれであること

人間は対象の配置(レイアウト)だけでなく、その面の持つ特質(肌理)からも生きていくために必要な情報を抽出する。 それは例えばそれがどのような物質で構成されているのか、硬いのか柔らかいのか、曲げられるのか、壊れるのか、伸ばせるのか、上に乗れるのか、食べられるのか、光の状態はどうか、…

おいしい素材 補足

■『生態学的視覚論―ヒトの知覚世界を探る』 1979(翻訳1985)J.J. ギブソン 『環境の物質は識別されることが必要であり、識別するための有力な手段は物質の面を見ることによってである』(ギブソン) ギブソンは環境を媒質、物質、面の3 つの要素で示し、知覚される要素として面のレイアウトと特質…

おいしい姿勢・音・手触り・味と匂い・見え ~5つの知覚システムより

ギブソンは「基礎定位付けシステム」「聴くシステム」「触るシステム」「味わい-嗅ぐシステム」「視るシステム」の5つの知覚システムを持つとした。それらに対応したおいしい知覚がそれぞれ考えられるだろう。 その中でも大地と身体の関係を知覚する「基礎定位付けシステム」すなわち姿勢の知覚は他…

おいしい姿勢・音・手触り・味と匂い・見え 補足

■『アフォーダンス-新しい認知の理論』1994 佐々木正人 『ギブソンは、脊椎動物は五種類の知覚システムをもつとした。一つは大地と身体との関係を知覚するためのシステムで、他のシステムの基礎となる「基礎的定位付けシステム」である。それ以外に「聴くシステム」、「触るシステム」、「味わい-嗅…

おいしい自然 ~自然を再構成する

光や雨・風・熱・緑、その他自然にある要素はそれ自体が生きていくための情報に満ちている。まず単純に自然そのものをどのように知覚させるか、ということが考えられるだろう。それに加え、自然の中にある情報の特質(不変項)を抽出し、それを建築の中にものとして再構成する、ということも考えられる…

おいしい自然 補足

■『アフォーダンス-新しい認知の理論』1994 佐々木正人 『デザイナーは「形」の専門家ではなく、人々の「知覚と行為」にどのような変化が起こるのかについてしっかりと観察するフィールド・ワーカーである必要がある。リアリティーを制作するためには、リアリティーに出会い、それを捕獲しなくては…