おいしい流れ ~探索モードのレイアウト
人が環境に定位でき「あらゆる場所に同時にいる」ような知覚を得られるとすると、その場所ごとの環境の質、もしくはそれぞれの探索モードを知覚することによって、全体の中に場の流れのようなものが知覚されるように思う。
探索モードとは例えば、見回す、歩きまわる、見つめる、立ち止まる、座る、触る、食べるなどと言ったあらゆる知覚に関わる探索的活動のモードであり、その場所の性質により特定されるものである。
建築を考える際に、この探索モードのレイアウトを考えることによって、場の流れが知覚されるようなものを考えられないだろうか。それにより知覚と定位が促進されるような場の性質をおいしい流れと呼べるだろう。
それは移動を含めた探索活動の自在さの表現であり、体験のレイアウトであり、定位の促進と活性化である。
また、その流れはその場の持つスケールに相応しい大きさと速さを持ち、関連する都市的な流れや建築的な流れを含めた大きな一連の流れに位置付けられ、階層的な構成をかたちづくる。