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おいしい姿勢・音・手触り・味と匂い・見え ~5つの知覚システムより

ギブソンは「基礎定位付けシステム」「聴くシステム」「触るシステム」「味わい-嗅ぐシステム」「視るシステム」の5つの知覚システムを持つとした。それらに対応したおいしい知覚がそれぞれ考えられるだろう。

その中でも大地と身体の関係を知覚する「基礎定位付けシステム」すなわち姿勢の知覚は他の知覚を含めたあらゆる活動の基準・基礎であり、それは重力とおおきく関連する。建築における姿勢とは、一つはそこにいる人間自身の姿勢であり、それが維持されて初めて他の知覚が可能となる。

もう一つは、建築を含めた物の姿勢である。人間は重力を介した物と物との関係性も知覚しているように思われる。それは建築においては構造による重力の表現であり、それにより安定感や浮遊感などが読み取られる。

そのように、自身や物の姿勢の知覚に伴い生じる感覚があり、そこに何らかの意味や価値が見いだせた時に、それはおいしい姿勢といえるだろう。

また、同様においしい音、おいしい手触り、おいしい味と匂い、おいしい見えといったことも建築において考える要素になるし、それらが重なり合う場を考えられるのも建築の利点である。

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