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「眼(まなこ)を開け!!!」

つまらない時間

「眼(まなこ)を開け!!!」
なぜこの言葉を思い出したかはわからない。
今朝、遅めの洗濯物を干していた時に思い出した言葉。
高校に入学し、学校内を先生が案内してくれるオリエンテーションの日があった。
朝からずっとオリエンテーションで、学校内を移動しては話を聞く。
その繰り返しだった。
まだ着こなせていない非常にダサい制服と、白色ベースだけどなんとかお気に入りを選んだスニーカー、これから始まる自由で刺激的な女子高生の恋へのワクワク。
窮屈になるほどの色々な感情を身にまとい、期待と不安が入り交じる緊張感を持ちながらも、ただ話を聞いているのは、とてもつまらない時間だった。

走る衝撃波

先生が交代で案内してくれた記憶があるのだけど、高校の施設の中でも歴史的な資料館を、教頭先生が案内してくれることになった。
もちろん、真面目に話を聞く気持ちでいっぱいだったけど、お昼時のとてもあったかい室内で、わたしを含め、何人も居眠りしてしまっていたようだった。
低音でBGMのようにウトウトと聞いていた教頭先生の説明が途切れ、突然言葉の衝撃波を受けることになる。
「眼(まなこ)を開けーーーーーー!!!!」
居眠りしていた生徒も、真面目に聞いていた生徒も、全員がビクリと背筋を伸ばした。
しばらく何を言われたのか寝起きの頭で理解出来ず、少し経って、
「起きなさい」ということを言っていたのだとわかった。
その衝撃波を受けた新一年生は、その後の教頭先生のお話で、再び居眠りすることはなかった。

言葉選びのセンス

わたしは、言葉選び、言葉遊びをとても大切にしている。
難しい言葉を知っているわけでも、語彙力が豊富というわけでもないけど、使う言葉には自分なりのこだわりを持っている。
そして、選ぶ言葉によって、読む相手に与える影響が違うことも理解している。
おそらく、教頭先生が大きな声で「起きなさい!」とか、「寝るな!」と叱っていたら、わたしは教頭先生のことも、このオリエンテーションの日のことも思い出すことはなかったと思う。
感動的なエピソードでもないんだけど、「眼(まなこ)を開け!」というワードは、過去においても、まぁまぁなパワーワードの一つとなった。
わたしも、色と言葉を使って活動していく中で、教頭先生のように、誰かの心に、思い出に残る言葉選びをしていきたいと思う。
まさかあの時叱られた言葉が、エッセイの一つとなり、絵に変わるなんてなぁ。
言葉のチカラはやはり、計り知れない。
だから言葉は面白い。


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