長く仕事を続けるために、流行らない職人、であること。

仕事に関しては、細々とでいいから長く続けられることを目標としている。オレはほど良い労働というものは、人間の健康にとって必要なものだと考えている。労働は、他者の役に立つこと。他者に貢献して感謝さらる喜びは自分のメンタルに良いし、体を動かすことで肉体にも良い。

もちろん、過重労働は本末転倒である。過労なんて馬鹿らしい。薬も飲みすぎると毒になる。用量、用法を守るというのは労働においても同じことが言える。

細々と長く続けるために必要なことの一つに、「流行らない」ことが挙げられる。つまり、自分のやっていることが、爆発的に流行ってしまってはいけない。流行りは必ず廃る。そして、一度流行った人というのは、その栄光にしがみついて廃った後でも醜態を晒すことが多い。

だから、長く続けることを目標に据えた場合、逆説的に聞こえるが「人気がない」ことが重要だ。

例えば、飲食店でも雑誌やメディアに取り上げられて大人気店となった店でも、数年後には閑古鳥が鳴いていたりする。そして、誰にも気が付かれないままに閉店、みたいな。

一方で、陽の当たらない場所で、淡々と「この店何十年やっとんねん」みたいな、老舗のボロい食堂があったりする。流行ったことはないが、それだけに廃りもしない。数こそ人気店より少ないかもしれないが、流行お構いなしで店を支えてくれるファン(客)を獲得している店は、長く継続することを見据えた場合に強い。

オレは、そういう仕事をしたいと考えている。人気者になれなかったオレの負け惜しみなどではなく、人気者になれないオレだからこその、自分の分をわきまえたこの先のビジネスライフのデザインなのだ。

流行りものは廃る、というのはモノの考え方においても同じである。ホリエモンや西野亮廣のような時代のカリスマがいる。そして、彼らのビジネス書はいつだって本屋の目立つところに平積みされており、たくさんのフォロワーを量産している。

そして、そこに書いてあることは非常に具体的で、この時代における成功者の言葉であるだけに、行動に還元した時に結果が出やすいものでもある。だがしかし、と思う。

ホリエモンたちは、天才的な能力を発揮してどの時代でも自分のやり方で、居場所を開拓していけるだろう。しかし、この殺伐とした時代において一見、眩しく見える彼らのノウハウを鵜呑みにはしない方が良い。流行りは廃るからである。そして、凡人である我々がもし仮に運よく流行りに乗っかっていい思いができたところで、そんなのは一瞬で廃るだろう。生活水準を上げでもしたなら最後、転落した先にきっと惨めな思いをすることになる。

だからこそ思う。安易に流行りの思想に乗っかって、自分の能力もわきまえずにインフルエンサーの言ってることのマネをするのは危険だと。そもそも、インフルエンサーなんてものも確実に廃るからな。一時の恋にのぼせ上がることも、人生の妙味ではあるが、思想領域においてそれをやってしまうのはいかがなものか、と。

話が脱線した。

とにかく、オレは労働者として、生涯現役でいたい。健康でいるため、つまり、幸福のためにである。その為には、長く仕事に携われるようにすること。流行りに乗っかるのではなく、もっと本質的に仕事に向き合う。

本質的と言ったが、中身は非常にシンプルである。常日頃お世話になっているお客さん相手に、真剣に取り組む。自分がお客さんの立場だったとして、自分はどう映ってるか?と客観的に見てみる。そうやって真面目にコツコツやっていれば、流行はしなくとも廃りもしないだろう。それがオレには合っている。


あ〜、金麦飲みてぇなぁ