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導くということ - 個人目標設定(前編)

 年初または期初には、その年の会社目標や部門目標をブレークダウンして個人の目標設定を社員自身で作成してもらうということを実施している会社も多いかと思います。

 社員が自ら会社の目標を意識して自分の仕事に当てはめた目標設定を実施するということはとても重要だと思います。しかし一方では、目標設定がとりあえず義務的に作成してそのままだったり、最初は気負って作成するものの、時間と共に実施すべき内容に変化が生じたり、日々の仕事に終われせっかく作成した内容を忘れてしまったりになってしまう恐れもあり、形骸化しやすいプロセスであるともいえます。

 プロセスとしては、しっかり回すことで個人の成長につながる結果を作っていくことができるものなので、如何にして継続し続けるかということが大切になります。しっかりとしたプロセスとして定着させるのには、やはりラインとしての努力が欠かせません。社員個人の目標設定を作成した後、個人面談を実施することで、その内容を共有するとともに必要に応じ修正することが重要です。目標設定なので、達成した時には成長しているような内容になっていることが望ましいわけです。そうなるようにラインとしてはアドバイスしたり話し合ったりする必要があります。

 特に若手社員に対しては、将来のイメージを共有しながら目標を確認することが有用です。若手社員の場合、当面実施すべきこと、つまりどのようなスキルを付けなければならないかということに集中はできるものの、それを生かして数年先の仕事の変化まで考えられない社員もいます。そんな時、ラインとして自分自身が若手だった頃に目指していたり、心配していたようなことを思い出し、アドバイスしてあげることで若手社員の将来に影響を与えることができるでしょう。強制的に目標を設定させるような無理強いは厳禁です。会社として必要なスキルと方向性の話をするとともに、その社員の特質を生かしたアドバイスをしてあげたいものです。

 個人目標設定は、最初に設定したら、絶対に変更してはいけないというものではありません。我々が新人の頃は年単位での目標設定をしてもそれほど変化することはありませんでしたが、最近は、四半期に一度見直した方がいいように思います。それだけビジネス環境が変化するスピードも速くなっていると思うのです。ビジネスの状況とかけ離れた目標のままでは、社員の努力も報われないばかりか会社としても損失となってしまいます。そうなってしまわないためにも、ラインとしては、四半期単位の実績確認と目標の修正を目的とした話し合いの場を設けるべきでしょう。

<後編に続く>



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グループリーダーや部下を持っている管理職の方達の日々の迷いを共有し少しでもヒントになるような記事を目指して描いていきたいと思います。

経験から得られた、社員に対する育成や組織に対する取り組みということを私なりに綴ってみたいと思います。

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