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導くということ - アウトプットする習慣(2)

 ある一定期間のなかで発生したことを振り返ってアウトプットすることになるため、アウトプット作業の時には、実はすでに違うソリューションで対応できるようになっているのかもしれません。そのことは担当者としての知識を増やしてくれることにもなり、しばらく時間を置いてから、お客様に提案するということもできるかもしれません。システムは稼働開始した時から老朽化が始まるわけです。そして多くのお客様は使えなくなるギリギリまで作成したシステムを利用して一気に作り換えるプロジェクトを立ち上げるというサイクルに陥りがちです。しかし、最もコストがかかるのは、人件費であることは間違いありません。例えば、レガシーと呼ばれるシステムをリニューアルしようとすると、レガシーを理解しているSEと最新技術を理解しているSEの両方が必要になります。しかし、多く存在するシステムを少しずつ定期的にその時の最新技術を使うように変更し続けることを保守作業として実施できるなら、技術者の山を平準化できることになるかもしれません。さらに、担当する技術者も緩やかに交代すれば良くなるのでリスクも減らせるかもしれません。

 常に改善をし続けるというのはアウトソーシングの手法に似ていますが、単純にお客様と年間契約を取り交わして、お客様サイトでお客様と共に検討改善するという方法も考えられます。この場合は、システム開発を請け負うということではなく、お客さまの活動を支援するという立場にはなりますが、まとまって開発となった場合は、お客様からの発注も期待できるかもしれません。このようなビジネスケースを実現するには、やはりアウトプットし続ける習慣とローテーションをうまく利用して個人に依存しない体制を作っていく必要があります。しかし、仕事は個人に依存しなくても、各社員にとっては、得意分野のスキルを維持向上させていけます。このことは社内での競争力を維持できるということにつながります。

 アウトプットする作業は重要ですが、その内容がテクニカルな内容であればあるほど賞味期限が存在することになります。使えなくなった技術に対するアウトプットは、書物としての価値はありますが、将来発生するプロジェクトでは考え方のみしか再利用できません。この辺りの管理も必要になりますね。そうしないと膨大な資料となりその時点で利用可能な資料を取捨選択する手間が増え続けていくでしょう。したがって、アウトプットする際は、そのプロジェクトの前提となった条件を明記しておくことを忘れないようにしましょう。


<続く>



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