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導くということ - 間接業務スキル習得(後編)

 ラインが間接業務に対する知識を維持し続けるためには、自らが研修を定期的に開催することで代替できるのではと思います。一人のラインのみで実施する必要はなく、ライン間で協業したり調査したり勉強会を開いたりすることで実現できるのではないでしょうか。社員一人一人の時間を無駄にしないで効率よく仕事を実施してもらうために、ラインとしては、間接業務の知識をつけておくべきでしょう。

 社員としても、「間接業務は自分の仕事ではない」というふうに片づけるのではなく、本来の仕事をスムーズに進めるために、間接業務の知識が必要なのだという意識を持ち、定期的に最新のプロセスを確認したりするべきです。特に、PMとして仕事をしているのであれば、社内レビューなどの内容に関して常に最新版を確認するように習慣づけて、手戻りがないようにしなければなりません。最近では、プロジェクトオフィスに任せっきりというプロジェクトもあるとは思いますが、PMとして全体を見る責任がある役割は常に適用されるべき最新のプロセスやルールを把握すべく努力すべきなのです。それができた上で、お客さまとの交渉も社内でかかる時間を頭の中で弾き、その時間を考慮して対応することができるようになるのです。

 社内の間接業務の説明を実際に実施する際は、会社の歴史とかグループ会社の状況とか、簡単な財務状況などを交えて説明すれば、会社の概要説明から始まり、会社生活のためのプロセス、ルールの説明、各種レビューの説明、社員規程、給与規定、退職金規定、年金対策などを加味した研修として仕立て上げてしまえば、キャリア入社の社員が入ってきた時も柔軟に対応できるようにもなるし、既存の社員に対するリマインド研修としても役に立つのではないでしょうか。

 私自身も、リタイアの前に社員に対し何ができるかなと考えた時、間接業務の説明の研修を思い立ち、研修資料の作成から研修まで実施した経験があります。もちろん、反応も様々ですが、「初めて知った」という声もあり、実施した効果はあったと確信しています。

 間接業務に対する知識をつけることは、普段の仕事を効率よく品質を上げるために必要なことです。そのことをラインも社員も認識することが重要だと思います。フリーランスであれば確定申告の準備がこれに当たりますが、領収書の保管や日々の記録が重要になることは間違いありません。それは、主たる仕事ではないからといって放っておくことはできないのです。同様に会社員であっても、社内プロセスは本来の仕事ではないから覚えなくていいということではありません。

 社員一人一人が生産性高く仕事を実施するために、社内業務や社内プロセス、社内規定などに対し定期的な研修を実施するとともに、無駄なプロセスを点検し改善していくことが必要でしょう。


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グループリーダーや部下を持っている管理職の方達の日々の迷いを共有し少しでもヒントになるような記事を目指して描いていきたいと思います。

経験から得られた、社員に対する育成や組織に対する取り組みということを私なりに綴ってみたいと思います。

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