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四国での路上ライブの思い出その1

時刻は朝8時を回ったところ。私はJR四国の高松駅に降り立った。駅の「土讃線」の文字、駅の外に覗く車はどれも香川ナンバー、そして聞き慣れないイントネーションと、昨日の夜から遥か遠くに来たのだと思い知らされた。
まずは朝食のため、駅構内にある有名なうどん屋「連絡船うどん(現在は閉店)」へと入った。歯ごたえのある讃岐うどんと透き通った黄金色のスープが印象的だった。
簡単に朝食を済ませると、ホームを出て3分も歩くと高松の港であった。
小豆島や淡路島方面へと向かうフェリーや遊覧船が発着しており、年配の観光客の方々が船を待っていた。
船着き場の近くで私がギターを弾いていると、楽しそうに聞いてくださった。
潮風に吹かれながら小一時間演奏し、次に目指したのは徳島だった。

徳島でのライブ
徳島駅につくと、時間は午前10時半を回っていた。連休初日ということもあり、駅周辺ではイベントが行われていた。仕方なく徳島城跡の近くに移動し、そこでライブをすることにした。
まだ4月だというのに日差しがだいぶ強い。暑い中でも親子連れの方やフォークが好きそうな初老の男性など、様々な方が聴いてくださった。その方のリクエストにお答えし、吉田拓郎の「落陽」を演奏すると非常に喜んでいだいた。なんでも若い頃は電車に乗って「つまごいコンサート」や「中津川フォークジャンボリー」に行かれていたのだとか…。

ライブの後は駅の近くにあるラーメン屋で、名物の徳島ラーメンを頂いた。
見た目は豚骨醤油ラーメンなのだが、一口食べた瞬間、不思議な感覚に襲われた。
まるですき焼きのような味なのである。スープは甘辛くこってりとしており、中太麺によく合う。そして極めつけに牛肉が入っていた。
これまで食べたどんなラーメンともちがう不思議な体験に戸惑いながらも、随分と贅沢をしたような気持ちになった。

徳島ラーメンで空腹も疲れもふっ飛ばし、一路高知を目指したのであった。

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