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【乳酸菌おもしろ解説】第3回:乳酸菌シロタ株(ヤクルト)

こんにちは、おなかラクト若井です。第3回目はヤクルトです!
乳酸菌業界の王様とも言えるヤクルト。今の世界の乳酸菌市場はヤクルト無しでは語れないほど、世界に影響を与えた乳酸菌の一つであることは間違いありません。

正直、この記事でヤクルトを語りつくすことはできないので、何回かに分けて紹介しようと思いますが、まずは王道のヤクルトをご紹介します。

今流行りの「ヤクルト1000」については、別の記事としてアップしますので、しばしお待ちくださいませ。

菌の基本情報

  • 通称:乳酸菌シロタ株 *

  • 菌株名:Lactobacillus paracasei YIT 9029 (strain shirota)

  • 生死:生菌

  • 有効菌数:10億個~1000億個

  • 主な効果:整腸作用、腸炎の改善、免疫賦活、高血圧リスクの低下、ストレス緩和、睡眠の質向上

1930年(昭和5年)、医学博士代田稔(しろたみのる、後のヤクルト創始者)が、京都帝国大学(現 京都大学)医学部微生物学教室にて、強い酸性培地で乳酸菌を培養し、さらに耐酸性の高い株を選抜した結果得られた。その結果「ラクトバチルス・アシドフィルス・シロタ株」と命名された。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株

菌株名は、YIT 9029 (strain shirota)です。シロタ株として誰しも知っている名前ですね。当然ながら、シロタ株は代田先生のお名前から取られています。乳酸菌研究がまだ今ほど盛んではなかったときは、研究者のお名前を付けることが多かったようです。

「乳酸菌」より有名な「ヤクルト」

私が数年前、乳酸菌市場の調査で、東南アジアの人たちにヒアリングしていたのですが、

「Lactic acid bacteria(乳酸菌)ってどんなイメージ?」って聞いても

「何それ?知らない。」と返ってきたのですが、

「Yakultに入ってるやつだよ。」と聞くと、

「ああ!!Yakultね!!!」と、みんな理解してくれました。

「乳酸菌」っていう言葉は通じないけど、「ヤクルト」は通じるんだと驚いた経験があります。

また、日本でも、ヤクルトの普及を加速させた、ヤクルトレディ(差別的な意味ではなく固有名詞として使っています。)という販売方法ですが、世界各国で同様の販売方法で展開されています。

時代に逆行するようなビジネスモデルですが、現地の雇用創出にもつながっているので、興味深い成功モデルと言えます。

論文評価

  • 論文数 :398報 *

  • 主な効果:「整腸作用」「善玉菌の増加・悪玉菌の抑制」「腸炎の改善」「排便回数の増加」「免疫賦活」「高血圧リスクの低下」「ストレス緩和」「睡眠の質向上」

  • 代替性 :有り

  • 総合評価:★★★★★

    *PubMedにて「YIT 9029」「strain shirota」「casei shirota」を含む検索に基づく(おなかラクト調べ、検索日:2022年9月22日)

素晴らしい!の一言に尽きます。

論文数、内容ともに、日本を代表する素晴らしい菌だと思います。

日本で発見された菌で、論文数が100報を超えているのは、知る限り、シロタ株ただ一つだけです。

研究の歴史も世界に先駆けて行われており、今でもアジアを中心として、ヤクルトが乳酸菌の市場を作ってきたと思います。

シロタ株の特徴としては、強い耐酸性による整腸作用や善玉菌の増加が挙げられます。おなかの調子を整えるという、いわゆる皆さんが乳酸菌にイメージするところの代表的な作用が強いです。

しかも、10億個でトクホの表示が許可されています。少なくても効果が強い菌とは知っていましたが、改めて調べると、たった10億個でトクホがとれているなんて驚きました。

そして、R-1のイメージが強いかもしれませんが、免疫賦活作用もヤクルトは強いです。(個人的にはR-1よりシロタ株をおすすめします。)

最近は「ヤクルト1000」でバズった、ストレスや睡眠という効果も立証されています。

皆さんは小さいころから親しまれ過ぎて、あまりその効果が有名ではないですが、菌としての強さも一流ですので、自信をもっておすすめいたします。

ヤクルト飲んでみました

New ヤクルト

一番メジャーなタイプです。まずは商品のスペックから。

商品概要

種類別名称:乳製品乳酸菌飲料
内容量:65ml
無脂乳固形分:3.1%
乳脂肪分:0.1%
原材料名:ぶどう糖果糖液糖(国内製造)、砂糖、脱脂粉乳/香料
保存方法要:要冷蔵10℃以下
アレルギー物質:乳
賞味期限:(メーカーの製造日より)16日前後
小売希望価格:40円(税別)

配合菌数

200億個

「株名」+「菌数」のお手本のような記載方法なので、全メーカーが、ヤクルトの表示方法を見習ってほしい(笑)

健康食品表示

特保(特定保健用食品)

生きたまま腸内に到達する乳酸菌 シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)の働きで、良い菌を増やし悪い菌を減らして、腸内の環境を改善し、おなかの調子を整えます。

栄養成分表示1個(65ml)あたり

エネルギー:50kcal
たんぱく質:0.8g
脂質   :0.1g
炭水化物 :11.5g
食塩相当量:0~0.1g

味わい・食べやすさ(主観)

ヤクルト飲んだことない人いないと思いますので、割愛します(笑)

おいしいです。懐かしいです。


飲んでみての感想

そのまま、ヤクルトの味ですっ。

改めて原材料表示を見てみると、「ぶどう糖果糖液糖(国内製造)、砂糖、脱脂粉乳/香料」で、ほとんど単糖類という(笑)

おそらく、80年間ほぼ変わらない味なんだと思います。

昔のヤクルト飲んでみたい!ヤクルトさん、「復刻版ヤクルト」とか作ってください!

商品開発的には、この「香料」に何を使っているのか、とっても気になります。ヤクルトの味を形成するために、重要な役割を担っていそう。

シロタ株の商品バリエーション

なんと!シロタ株が入っている商品は25種類もあります!

ヤクルトはシロタ株に全力だと聞いていましたが、、ほとんどシロタ株じゃん(笑)

Newヤクルトの価格は、スーパーで税込199円でした。希望小売価格よりちょっと安いかな。1本40円弱です。

自分の好みの味を探してみてください!そして、是非教えてください。

私はヤクルト1000を見つけたら買ってみたいと思います。

まとめ

今でこそ乳酸菌市場が盛り上がっていますが、ヤクルトは80年も前から乳酸菌に真剣に取り組まれています。

まず、代田先生、ヤクルトのみなさま、ここまで乳酸菌業界を先導してくださって、ありがとうございます。日本だけでなく、世界のリーダーの1つであることは間違いないと思います。

身近にありすぎて、一般の方にはその研究にフォーカスされにくいかもしれませんが、日本一の研究論文数がある乳酸菌です。

80年間ずっと変わらず愛され続けているのには、単においしいからだけではなく、しっかりとした研究とエビデンスに裏付けされているからだと、私は思います。

勝手ながら、我々「おなかラクト」も、代田先生の「貧しい人でも健康を手に入れられるよう」という理念と同じく、良いものを高く売るのではなく、良いものを手に取りやすい形で提供することを目指しています。ヤクルトを目指すというのはおこがましいかと思いますが、我々も社会や国民の皆様のために頑張ります。


おなかラクトの記事では、日々皆さんに有益な情報を、腸活・菌活の観点から発信していきます。


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