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篤があつしに変わるまで 25 『おわりに』

このエピソードからお読みの方は、 『篤があつしに変わるまで 0 プロローグ』 からお読みください。
もしくは、 「マガジン」 でお読みください。


『篤があつしに変わるまで』、本当の本当に最終回です。
 これまでお読みくださった方、特に、 「マガジン」 をフォローしてくださった多くの方々にこの場を借りて御礼を申し上げます。

 さて、これまで連載してきたのは、わたくしこと「大村あつし」が、デビュー作を世に出すまでの、七転八倒の「実話」です。
 物語に妙味を加えようと、「エピソードを盛る」ような真似は一切しておりません。

 しかし、ボクはこのデビュー作で、「日本一、VBAの本を売った男」とか「日本一のITライター」になれたわけではありません。
『プロローグ』 で書いたとおり、今のボクは「日本一のITライター」ではありませんが、確かに2000年頃はその異名を欲しいままにしていました。

 実際に、マイクロソフト米国本社のエクセルの開発チームが来日したときには、ボクが日本のユーザーの代表として、3時間たっぷりとヒアリングをされました。
 そのときにボクが伝えた要望のいくつかは、その後、エクセルに新機能として搭載されましたが、ボクと同じことを考える人は何百万人もいますので、もちろん、ボクの意見が通ったとは思っていません。

 いずれにしても、『篤があつしに変わるまで』は1996年の話。
 ボクが60万部のとんでもない大ベストセラーを飛ばして「日本一のITライター」と呼ばれるようになったのは2000年の話。

 すなわち、ボクは「日本一」と呼ばれるようになるまでに、さらに3年以上の歳月を要しているわけですが、このときの苦労話をするつもりはありません。

 というより、「日本一」を目指す人間が苦労をするのも努力をするのも当たり前のことです。
 むしろ、呼吸をするかのように自然に頑張らなければなりません。

 ところが、1996年に念願のデビューを果たしたボクは、2冊目の『もっと知りたいExcel 97』という本で大コケしてしまいます。
 出版業界というところは、一度コケると5年は浮かび上がれない世界です。

 そこでボクは考えました。
 頑張るのは当たり前。
「どれだけ頑張ったか」ではなく「どう頑張ったのか」が肝要だと。

 そして、「どう頑張るべきか」ということをテーマに書いたのが、ボク自身初の自己啓発書であり、7万部のベストセラーとなった『人生は数式で考えるとうまくいく』です。

 そこで、これからはこの『人生は数式で考えるとうまくいく』の中から象徴的なエピソードを紹介していきたいと思います。

 ボクは「夢は叶う」などと綺麗ごとを言うつもりはありません。
「努力をすれば成功する」と言うつもりもありません。
 しかし、努力をすれば必ず「成長」します。
 このことを、今後はnoteで訴えていきたいと思っています。

 最後に蛇足ですが、『篤があつしに変わるまで』でおわかりのとおり、ボクは本当に数多くの幸運に助けられました。
 特に、エーアイ出版の女性編集長が大のジャッキー・チェンのファンで、同じく大ファンのボクが、自分の会社(と言っても、ボクとアルバイトしかいませんでしたが)を「有限会社プロジェクトA」と名付けたからこそ企画書が目に留まったなど、ボクは「これは偶然では説明できない」と思い始めました。

 そして、引き寄せの法則にはまっていったのですが、今では引き寄せの法則を完全否定する立場です。
 くだんのジャッキー・チェンの話も「ただの偶然」だと思っています。

 ボクは、10年以上、引き寄せの法則を信じ続けていましたが、 『「10年前の自分」に「10年後の自分」を伝えたら、自死していたかもしれない』 で書いたとおり、「引き寄せの法則を否定しないと説明がつかない」経験を嫌というほどしてきました。

 引き寄せの法則などありません。
 そして、ボクたちにとっての唯一の「お守り」は「行動」です。

 そんなボクですが、今後もnoteで小説やコラム、エッセイを通じて、こうした「人生の真理」を訴えていけたらと思っています。

 まずは、チャレンジの第一弾として、SFミステリー作品 『無限ループ』 の連載を開始します。

 今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

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