母の精神が崩壊㉒　本音でぶつかる夫婦関係

父と母の夫婦関係は、
どこかよそよそしかった。

お互いの腹の中を、
隠して、隠して、
相手のことがわからなくなり、
信用度ゼロ。
疑心暗鬼状態だった。

その証拠に、
母は、父と同じお墓に入るのは嫌だ、
と言うようになっていた。
『死んでまで、この人と一緒にいたくない』
という、思惑だったのだろう。

父と母は、私が物心ついた頃から
言い合いの喧嘩をしなくなっていた。
お互いの腹の中を明かさず、
だんまり戦。

結局、
父も母も、本音でぶつかり合うことを、
恐れたのだと思った。

私は、旦那さんに対して、
自分の感情を隠しているのが嫌いだ。
なぜか、嘘をついているような、
後ろめたい気持ちになるから。

以前は、両親と同じく、
争いたくない、
言い合いをして傷つきたくない、
という思いから、
だんまり戦を選択していたが、
モヤモヤが蓄積され、
何も言わなくても、逆に相手に八つ当たりをし、
不愉快な思いをさせていた。

本末転倒だった。

これではダメだと思い、
自分の本音をぶつけてみることにした。

本音でぶつかれば、
それなりの言い合いになるので、
傷つけられるし、逆に相手を傷つける。

しかし、数時間本音で言い合いをすると、
不思議と最後は、お互い笑けてくるのだ。
『アホやな』
『そっちこそアホやな』
しょうもな！と笑いがこぼれる。

言い合っているその場は、
ものすごく腹が立つが、
後がスッキリして、
モヤモヤが残らない。

何も言わないのは、
相手のことを考えているようで、
実は、自分が傷つきたくないから。

実際は、何も言わなくても、態度に出るので、
結局は相手に伝わっている。

自分の中のモヤモヤは風船と同じ。
モヤモヤを貯め過ぎると、
大きくなりすぎて破裂する。

小さなうちに手放そう。🎈