ゾンビになりかけブレーキ講談

 ひたすらに駆け抜けた一週間であった。正直余裕はあまりなかった。特に一つひとつをしっかり振り返るでもないのだけど、月曜日を控える手前にニョキと出てきた雑感である。冷静に考えてみれば、やるべきことは果てしないけど、とりあえずの宿題〆切としては今日はギリギリ休める日だということで、午後からは倉吉のほうに行ってきた。講談師・神田松之丞改め伯山が、襲名後としては初の鳥取で講談をやるよってことで、足を運んできた。

 思っていたよりも会場はだだっ広く、ソーシャルディスタンスを気にしながら最新の注意の開催されていた。ボクらの席は三階席のさらに最後方席だったため、先生を上から覗き込むかのように観覧。目が悪いボクとしては、もはや表情は読み取れず、”なんか動いてる”のは分かるといった調子で、YouTube動画よりは粗いが、なんとかラジオ以上の緊張感と迫力で約2時間半を過ごした。かつて都内に行くたびに、ちょくちょく上野広小路亭や日本橋亭の高座に通っていたけど、2列目くらいで観てたそのときの距離感と比べると、雲泥の差ではあるけど、やはりそこはプロで、一つひとつの演目の熱量たるや。二階三階へとその熱気が昇ってくるからあっぱれで、かつ、観客を置いてけぼりにしない”間”の取り方と、途中途中の講釈や小ボケを重ね、飽きさせないどころかのめり込んじゃう空気感がそこには確かにあった。あと、毎度思うけど、とにかく声に色気があるんだよなぁ。顔に似合わない色っぽさが。とりあえず、こいつも雑感だけど、「ネタっていいなぁ。ちゃんと磨けば、いろんなところに持ち運べて、しかもその現地の人とそれをもとに会話ができる。うん、ネタっていいなぁ」である。ネタっていい。

 そして、公演後は、滅多に来ないし未開拓な倉吉で、知人に紹介してもらい立ち寄った「レストラン三日月」の焼き飯と牛骨ラーメンとカツカレーがえらく旨かったし、おばちゃんのキャラが最高だった。駆け抜けへとへとだった一週間、その最終日は、ひさしぶりの感覚を何度も得られる良日だった。

 また新たなザ・一週間が始まる。カモンベイベー。逝こうぜ。

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