お隣さんの庭に憧れて

私の家のお隣の奥さんは、推定私の母親くらいの年齢で、毎日庭に出ては植物に水をあげたり雑草を抜いたり、抜かりなくお手入れしている。愛情を受けた庭は庭園のようになっている。

我が家の庭はというと、その差は歴然だ。旦那が家庭菜園をしたいということで、手入れは旦那担当になっている。とは言っても、平日は帰るのが遅く野菜達に水をやるだけ、土日に時間があれば雑草を抜くけれど、とてもじゃないけど追い付いていない。虫が苦手な私は、見て見ぬふりをしていたけれど、さすがに私もやらないとまずいなと思うくらいには生い茂ってきた。もう梅雨入りもして、あとは暑くなるばかりなことを考えれば、今のうちにやっておいたほうがいいのは確実だ。ちょうどよく２人とも休みの今日は天気が良かったから、一緒に除草作業に勤しんだ。

草を抜くと、虫がわんさか出てくる。山が近いから、仕方がないけど本当に虫が多い。かといって雑草を放置すると余計に虫が湧くから、もう抜いてしまうしかない。仕事が医薬品製造で虫一匹工場に入れてはならんという環境でずっと過ごしてきたせいか、虫への嫌悪感は本当にすごい。いつかは虫にも慣れるだろうか。

私は、虫が嫌いなだけで、「草を抜く」という作業自体は好きだ。それこそ子どもの頃は虫への苦手意識も今よりはなく、自主的に１人で実家の庭の草を抜いていた程に。単純作業はいつまでもしていられるタイプだし、中途半端に終わるのが嫌なので、虫に細心の注意を払いながらどんどん抜いていく。旦那からもすごい集中力だと褒められて少し得意気。

ある程度満足できるところまで抜ききり、今日の作業は終了。もう夕方になっていた。普段は夜ご飯を食べてからゆっくりお風呂に入るけど、今日ばっかりは汗だくなので速攻シャワー。その一連の流れがなんだかとてもすっきりさっぱりして気持ち良かった。なんだかとても健康的な休日だ。家の中の掃除や片付けもメンタルが整うけれど、庭の手入れも同じだなと実感。だから隣の奥さんはいつも朗らかで優しいオーラを放っているのかもしれない。

今日初めてハンドドリップから急速冷却したアイスコーヒーを淹れてみたのだけど、一汗かいた後のアイスコーヒーは身体中に染み渡り、余計に美味しく感じた。虫さえ我慢すれば、こんな気分になれるのなら庭の手入れも悪くないなと思った。

ひとまず、自分用の長靴と虫除けスプレーを買ってこよう。