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環のストーリー

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生きる姿を、音楽と。環のストーリーを紹介します。
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#振り返りnote

夏の夜に落合のコンビニで

夏は夜だと思っている。暑さが和らいだ中で、風が吹けばさらに良い。 こう思うようになった原…

中野のコンビニで笑顔がひきつる

「坂本くん〜〜〜!いいわね、あんた本当にいい笑顔」 純二店長は、まるで甥っ子や姪っ子でも…

世田谷の道に置いてきた

二股に分かれた道だった。敦は私が後ろから追いかけてくると思っていただろう。だけど私は、敦…

杉並で静かな正月を過ごせたこと

2023年12月31日。私は東京駅行きの上り新幹線に乗っていた。パートナーの実家から一人、自宅に…

2023年の音楽とストーリー

こんばんは。 早いもので、2023年も終わりですね。 今年最後の更新になります。 みなさん、今…

友達へのラブレター

例えばさ、俺が滌(でき)と付き合うって言ってたら、どうしていましたか? 多分、照れてニコニ…

後悔と向き合うことで見えるもの

私は後悔というものに支配されることが往々にある。 恋愛も仕事も友達とのことでも。 でもこの後悔があるから、もっと良くしていこうと思えるではないかと考えるようになった。 記者をやめて1年半が経つ。 何度も後悔をしてきた。 「記者を続けていればこんな取材ができたかもしれない」 ニュースを見るたびにそう思う。取材もできず、世の中に発信できない自分の今の立場に歯痒さを感じている。 そこで私が始めたことが二つある。 一つ目は情報公開請求だ。 ニュースを見ていて、なぜ?と思うことが増

朝のハグ、明日もね

そう考えるようになったのは、東日本大震災がきっかけだった。 2011年3月11日。夕方からのバ…

自分が教えてくれた道標

自分の中に”漫画の主人公っぽさ”を感じたことがある。 大学1年も終わりを迎えた2011年3月。…

自分の考えに自信がなくなった日

2014年4月16日。それは私にとって運命の日だった。 某出版社から採用の可否の通知を受け取る日…

朱色の筆が待っていた

しんと静まりかえる木造2階建て住宅、1階の和室。 そこにいるのは私と父方の祖母のみ。 これか…

置かれた場所で咲かないでください、なんとなくなら

先日、後輩から誘われて、大学時代に所属していた男子バレーボール部の練習に行くことにした。…

愛を贈る準備が整ったら

11月にしては温かい平日の朝。休みだったので両親に会いに行った。 自宅の最寄り駅から西武池…

はみ出し者たちの旅

「ははははは」 学食から聞こえる笑い声は、嫌だという気持ちを通り越して、恐怖の対象だった。 私は2010年、第一志望の大学に合格し大学生となった。 将来就きたい仕事のマスコミに関する勉強ができるうえ、部活のレベルも自分にあっていた。 期待を胸に小田急線に乗り込んだ。 オリエンテーションなど一通りのイベントが終わり、部活で初めての春リーグが中盤を迎えたころ、徐々に自分の違和感に気づき始めた。 「お~環!」 「お疲れ!元気?」 「バイト漬けでつらいわ。全然勉強していない」