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環のストーリー

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生きる姿を、音楽と。環のストーリーを紹介します。
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#友達

下高井戸での違和感は私のアラーム?

声が大きいなと思った。 下高井戸駅の本屋で待っていると、吉田くんが若干の汗を滲ませながら…

夏の夜に落合のコンビニで

夏は夜だと思っている。暑さが和らいだ中で、風が吹けばさらに良い。 こう思うようになった原…

世田谷の道に置いてきた

二股に分かれた道だった。敦は私が後ろから追いかけてくると思っていただろう。だけど私は、敦…

浅草の喫茶店で会いましょう

大阪から友達が遊びにきた。宗(たかし)は私が大阪にいる時に知り合い、いつもお笑いだの人間関…

上北台に置いてきた思い出

「ねえ、上北台って覚えてる?」 「覚えてる!覚えてる!よく練習試合行ったよな〜」 「だよね…

雑司ヶ谷にあるお墓は怖くない

友達の学がカナダから帰ってきて、東京で遊んでいた。あちこち歩き回っていた私たちは、池袋か…

紀尾井町に一人だけ味方がいた

就活をしていて、周りの全員が敵に見えたことは一度や二度ではない。特に出版社の選考を受けていたときは、あまりの倍率の高さに、周りが敵に見える確率がかなり高かった。しかし、紀尾井町にある出版社を受けたときに一人だけ味方がいた。三橋くんだ。 三橋くんと会ったのは、二次面接のグループワークの時だった。線が細く、メガネをかけた三橋くんからは賢さが漂っていた。自己紹介をする声も低く落ち着いていて、「こういう人が受かるんだろうな」と直感的に思った。一方私は体力と元気さだけが取り柄の体育会

下北沢で太と出会った。だからこのエッセイが始まった

走った。大学の体育館で着替えると、先輩への挨拶もそこそこに駅へ向かった。小田急線の急行に…

遠い存在と決めていたのは私だった

春の匂いを感じると、学生時代がふと蘇る時がある。 特に高校生の頃のことだ。 今、胸を張って…

コミュニケーション能力を伸ばしすぎました

人とコミュニケーションをとることが、本当に本当に得意なのである。 職場の先輩と話している…

感情にエビデンスは必要ない

空港で仕事の電話を終えると隣の席に座っていた淑女に話しかけられた。 「あなたってもしかし…

急に服が似合わなくなったときがチャンスだ!

仕事終わり、友達とご飯へ行った。 何気ない会話を二、三して、ファッションの話に話題が移っ…

”感情的”って言う時、マイナスなことを思い浮かべていない?

仕事で言われた。 「環さんが感情的になっているで冷静に話せる状況じゃないと思いました」 こ…

それでも社会は回っているから

これまで書いてきたことと矛盾するが、自分の中には多様性が当たり前にそこにあるということを理解している部分と正解と不正解を白黒はっきりさせないと気がすまないという部分が共存している。 2つの考えは併存できるが、時に「こうしなくてはダメだ」と強く感じ、多様性というフィルターが機能しなくなる。目の前の出来事を「不正解だ」と断じてしまう時がある。 ただ、その強迫観念にも似た”正解を決めてしまう癖”が、ここのところ緩んできたように思う。 2021年4月、転職をしたことが大きな転機にな