歌集『レインドロップ』を読む。
大塚亜希氏の
歌集『レインドロップ』を読んだ。
書影
本としての紹介
華やかな表紙から、ほんわかした内容かと思いきや、
良いことばかりではなく、人生の起伏がある。
五首選
何気ない光景から、通行人それぞれの個性を感じている。
傘をさそうかさすまいか微妙な降り具合の雨の時は、
傘をさす人とささない人が分かれる。
その判断の違いを「処世術」とした面白さ。
風景の捉え方が面白い一首。
すずめの小ささをルビに見立てた点や、
白雲が雪を降らせそうだという描写で、冬ではないかと想像させる。
四つ葉のクローバーも、探さなければ見つからないと聞いたことがある。
間違い探しも、最後のひとつを見つける時が特に難しい。
気の持ちようの大切さや、それ以上の深みがある一首。
「潜れ」は命令形だが、応援的な意味合いも感じた。
爽やかな光景が脳裏に浮かぶ一首。
まとめ
一冊中に人生の起伏がある。
具体的には
人生の色々な問題や場面がある。
結婚、病気、入院、親族の死、人生の決断・・・などなど。
見に積まされる内容も多々ある。
それでも
読者が一冊を最後まで読み切ることが出来る、
短歌の魅力がある。
歌集としては、一冊中の連作の組み立て方の参考になる。
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