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サイコパスはあくびが移らない、ビットコインに手を出しやすい性格、浮気を繰り返しやすい男の性格など【ダークな性格最新データ】
サイコパシー、ナルシシズム、マキャベリズムを中心とするダークな性格特性に関して面白かった最近のデータを5つほどまとめておきます。
👇(参考:ダークトライアドってなに?って人はこちら)
1. サイコパスは他人のあくびを見ても移らない件
「サイコパシースコアの高い人はあくびが伝染しにくいぞ!」ってな研究結果(R)が出ておりました。これは50か国の458人の参加者を対象にしたテストで、49回の人間のあくびと1回の犬のあくびが映された3分間のビデオを見せて、「ビデオを見ている間にあくびをしましたか?」という質問に回答してもらったんだそう。その後、サイコパスの特性に関する複数の質問票に回答してもらって、あくびの伝染とサイコパシーとの関連を分析したらしい。
共感能力の欠如が特徴とされるサイコパスは他人のあくびが移りにくい!ってのは以前から指摘されてたとこですけど、結果には結構ばらつきがあったんですよ。その点、今回の実験は比較的大規模で多様なサンプルが採用されてるのはうれしいポイントですね。
その結果はというと、
参加者の約63%がビデオを見てあくびが出たと回答した
あくびをしたと答えた人は、あくびをしなかった人に比べてサイコパシーのスコアが低い傾向があった
ということで、やはりサイコパスは他人のあくびを見ても伝染する確率が低いみたい。さらにこの結果は、参加者の性別、年齢、前日の睡眠時間、疲労度、ビデオへの注目度等を調整した後でも維持されたようで、やはりサイコパシーという特性があくびの伝染確率に影響しているように見受けられますな。
ただし、「あくびの伝染確率を最も強く予測したのは自己申告による疲労感だった!」という結果が得られている点には注意が必要です。研究チーム曰く、
誰かが他人のあくびを目撃した後であくびをしなかったとしても、すぐにサイコパスと決めつけるべきではない。彼または彼女は疲れがたまっていないだけかもしれない。
とのこと。疲れているときってのは、性格によらず、他人のあくびを見た後で自分もあくびをしてしまう確率が高まっている状態にあるから、あくびの伝染だけを指標に「あいつはサイコパスだから関わらないようにしよう」と考えるのは尚早ですぞ!ってわけですね。とはいえ「これまで他人のあくびなんて移ったためしがない」とか言ってる人に出会ったら、被害にあう前にちょっと警戒しといたほうがいいかもしれませんねー。
2. ダーク・テトラッドはビットコインに手を出しやすいぞ
クイーンズランド工科大学の研究(R)では、「暗号通貨に高い関心を示す人の多くがダーク・テトラッドの兆候を示していたぞ!」って結論になってて面白かったです。「ダーク・テトラッド」ってのはダーク・トライアドに「サディズム(他人の苦しみを楽しむ性格)」を加えた性格特性グループのことですね。
ここでは566人を対象にオンライン性格調査を実施し、同時に暗号通貨に対する考え方や投資計画についての質問にも答えてもらったらしい。その結果、
参加者のうち26%が暗号通貨を所有していると回答し、65%が暗号資産に関心があると回答した
4つのダーク・テトラッドの特性すべてが暗号資産への投資への関心と相関していた
だったそう。ただし、ダーク・テトラッドはそれぞれ異なる動機で暗号資産に関心を示していたそうで、FOMO(他人が自分よりもいい思いをしているという感覚)、楽観性、陰謀論への考え方といった要素も調べたところ、以下のような傾向が見られたんだそうな。
マキャベリアンは、政治家と政府機関に対して強い不信感を抱いており(「政治家は本心を明かさないし、政府機関は国民をひそかに監視している」など)、暗号資産は政府の腐敗を回避する手段になると考えていた
ナルシストは、未来に対する強い信頼と自身の生活は将来良好な方向に進むだろうという自信に基づいて暗号資産への投資を行っていた
サイコパスとサディストは他人が獲得するかもしれないベネフィットを自分が逃してしまうことに対する恐怖感からリスクに手を出していた
もちろん、暗号通貨に関心を示すすべての人がダークテトラッドの特徴を示すわけではないものの、暗号通貨をダーク・テトラッドの心理的なレンズを通して研究してみるってのはなかなか面白いですね。
この結果は、ダーク・テトラッド特性の高い方がハイリスクハイリターンの投資に手を出したい衝動に駆られたときに「合理的な判断をできているか?」って顧みる指標として活用できるかもしれませんね。また、ダーク・テトラッドではない方がハイリスクな選択をすべき場面で一時的に彼らの心理を拝借してみるってもありでしょう(参考:「サイコパスに学ぶ成功法則」)。例えば、「もしここでリスクにビビってこのチャンスを手放したら、将来得られるかもしれなかったどんなメリットを失うことになるだろう?」と想像してみるとか。
3. ダークな性格特性を持つ男性は浮気を繰り返す確率が高いかもだぞ
お次はダークな性格特性がカップルの関係性についてどんな影響をもたらすのかを調べた研究(R)です。研究チームは、18歳から25歳のスペインの大学生308人をソーシャルメディアを通じて募集。全員には人口統計情報、ダーク・テトラッド特性、道徳離脱(罪悪感を持つことなく、非道徳的な行動を取る傾向)等に関する質問に回答してもらったらしい。その結果、
男性は、ナルシシズムを除くすべてのダークな性格特性の変数で女性より有意に高いスコアを示した
参加者のうち24.7%が浮気をしたことがあり、浮気を認めたグループのうち40.8%が複数回浮気をしたことがあると回答した
浮気の経験を認めた参加者は、測定されたダークな性格特性および道徳離脱の構成要素すべてにおいて高いスコアを示した
また、ポルノコンテンツを多く消費している人もダークな性格特性のスコアが高かった(サイコパシーは除く)
って感じだったそう。ただしサンプル数はそこまで多くない点、参加者の大半が女性(78.3%)である点、信頼性評価も「超低い」と判定されている点には注意が必要でしょう。とはいえ、ダーク・トライアドが嫉妬、暴力、短期的な関係性、複数のパートナーの所持とかに関連することは以前から確認されてますし、やはり付き合うならダーク・トライアド(テトラッド)は避けておきたいところだよなーとか思いましたねー。
4. ダーク・トライアドとプロスペクト理論にはどんな関係があるのか?
「プロスペクト理論」ってありますな。利益を想定した場合には人はよりリスクの低い選択肢を選ぶ傾向があるのに対して、損失を想定した場面にはリスクの高い選択肢をとる確率が高くなるってやつです。
(参考:プロスペクト理論でノーベル経済学賞を受賞したカーネマン先生の著作)
で、最近のテキサス大学の研究(R)では、Covid-19下におけるプロスペクト理論の検証とダークな性格特性が意思決定にどんな影響を与えるのか?ってあたりを調べてくれていて面白かったです。
これは2020年3月下旬(ロックダウンを発表した直後)に米国の成人281人を対象に行われた実験で、全員にはまず「600人の死者が出ると予想されるCOVID-19の大規模な拡散に直面しつつある」という状況を想定してもらったうえで、以下の2つのグループのいずれかに割り当てたらしい。
ゲインフレーム:「200人が必ず助かる」プログラムと、「1/3の確率で600人が助かり、2/3の確率で誰も助からない」プログラムのどちらかを選択する
ロスフレーム:「400人が必ず死ぬ」プログラムと、「1/3の確率で誰も死なず、2/3の確率で600人が死ぬ」プログラムのどちらかを選択する
それで、各条件下でリスクの取り方に違いが出るのか、さらに参加者のダーク・トライアドスコアによって意思決定にどんな影響が出るのかを調べたところ、以下のような傾向が見られたんだそう。
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