マガジンのカバー画像

言葉、短歌、詩

21
運営しているクリエイター

#短歌

父ちゃん大好き♡♡♡

父ちゃん大好き♡♡♡

わたりゆく季節を幾度かさぬれど鳥は求むるいとしきかのひと/奥野



思わず涙が出た。ごく初期に詠んだ一首。(*2013年4月詠草)
我ながら、なんの飾りもてらいもなく大好きなそのひとをまっすぐにまなざす意志が伝わってきて…。
そうなんだよなあ。むしろこっぱずかしいくらい愚直で直球であるほど、想いの中枢をつらぬいていくことがある。いまはもうこんなふうには詠めないけど。

父からの手紙もそうだっ

もっとみる
神々の

神々の

神々の悦楽を聴け幽冥に舞ふ花びらの密度無限に/奥野

雨うるみ

雨うるみ

雨うるみかのひとに哭(な)く日々もまた歌なりてこの歳月を愛(め)づ/奥野

(滝本晃司さんの数ある雨曲たちに捧ぐ*)

目覚めゆき

目覚めゆき

目覚めゆきかたちづくらるいのちへとわれみちてゆけ かの日かのひと/奥野

あなたには

あなたには

あなたには翼があつて天の火を身のうちにほらやどして綺麗/奥野

永遠に

永遠に

永遠に緑色(りょくしょく)はある。千年の雨のそそげるしじまの後に/奥野

うつくしい

うつくしい

うつくしいうつくしい日に降り立つて 春 のはら 雨 しんとして雨/奥野

すでにこの

すでにこの

すでにこのはじまりを知る身体にはゆふぐれに立つ竜が棲みをり/奥野

かのひとの

かのひとの

かのひとの指のたどれるすべらかなまろみの涯てにかの果実あり/奥野

乳白に

乳白に

乳白に眠りて落ちてあたためむあなたへみちた身体は静か/奥野

忘れゐた

忘れゐた

忘れゐた日々を夢野にふきかへし雨の日いろに透きゐる獣/奥野