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世界の変え方。天才の向き不向き。心の震え。

妻が、スマホのゲームにはまった。
ということで、来る日も来る日もスマホでゲームをしていた。

「……」
まあ、楽しいんならいいのか。
と、思いつつ、

退屈な仕事。
ジワジワと苛立ちの蓄積。
そこから抜け出すためのもがき、その結果が出ない日々。

グツグツ、グツグツ。

妻は、椅子に座って、スマホゲーム。
夜更かししてゲームをやって、僕の出勤時も寝ている。

グツグツグツグツ。

「あのさ、ゲームもいいけど、なんつーか、ちょい、こう、何かしていこうよ」
と、曖昧な苛立ちをぶつける。

「は?」
と、妻。

その二日後、「分かった」
と、書きかけでほったらかしにしていたライトノベルを仕上げて、電子書籍のkindleで販売開始したら、二か月で七十万稼ぎだした。

売り上げのデータを見せられ、
「おわっ」
と、声が漏れる。

時々忘れるが、妻は天才なのだ。

「いい? 心を楽しませないとダメなの。あんたが、色々と戦略やら、システムやら勉強しても、なんか、響かないのは、心が事故るからなの」
「うっ」
「そういうの向いてないんだから、とっとと心を楽しませること、なんだかんだ、それで世界は変わるんだから」
と、全く、むちゃくちゃな理屈なのだけれど、たぶん、合っているのだ。

「失礼しました」

と、僕は納得し、色々とややこしいことを考えるのを止めた。

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