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個展を終えて


個展「目の便り」
無事に会期を終えることができました。
個展が決まってからおそらく8ヶ月。
波のように揺れて最後はちゃんと着地できた気がします。

知らない土地で知らない人に見てもらう。
ほぼ初めての展示で初個展。
写真学生でもない私ですが、特に怖い思いはありませんでした。
サポートいただいたギャラリーのオーナー吹雪さん、先生、写真や表現に関して話せる友人のおかげです。
改めて、ありがとうございました。


個展に至ったきっかけは、SNSで写真の投稿をしている時に抱いた感情からでした。手の中で消費される写真は何のためのものなのか、物質的に形にならない写真は写真と言えるのか。色々な疑問が思い浮かび、SNSだけに表現の場として留まっていることに違和感を感じました。
「写真は展示や写真集として形にしなければ」と、私の好きな写真家さんが言っていた言葉を思い出し決断しました。


個展を終えて、沢山の方と顔を合わせて話をしたり、感想を見ることができました。説明をする度に自分の中でも再度思考し、身体的に精神的に楽だった時はありません。でもそれが本来の写真や表現と向き合うことだと思います。この感覚は、写真をプリントして1つの空間を自分の写真だけで埋めた人にしか分からないと、会期を終えて実感しました。これを学生の間に感じることができて良かったと思っています。


今回の展示でようやく自分から写真を外に手放したように思います。それは写真、作品、自分自身を無防備にして全てのものに当たる状態にすることです。表現は危険なことで、でもそうしなければ話せないことがあります。真っ直ぐに声を届けてくれた来場者の方、感想を送ってくださった方に感謝しています。


個展を終えても自分の中には、まだ、渦巻く疑問や考えがあります。次がいつになるか分かりませんが、また形にして社会に投じていけるように日々考えを止めないでいたいです。



私にも棘があって、でも足りない、経験がないことも多くあります。若いからと頭ごなしに否定してくる人もいるかもしれません。
でも人間は何をしようが、どの選択を選ぼうが、否定や批判をしてくる人は必ずいます。それは仕方のないことです。それなら、自分の心が思う正しいことをやっていけばいい、と思っています。
どうせ人間は死んでしまう。出会ったあなたも、顔の見えないあなたも、私も。


便利な世界です。
長生きできると無条件に思っているあなたは、明日何をしますか。


ありがとうございました。


亀島瑠李

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