haru kuru
春が迎えに来たのかと外に出たら冷たい空気に包まれた。
昨日あまりにも暖かい日差しを浴びて、薄いコートを出したがすぐに裏切られたから、まだ冬物のコートじゃないとなと昨晩から考えていた。
慣れた道を歩く。
駅から少し遠いから余裕がない時はバスに乗ってしまう。
昨日はそうしてしまって、何故だか視界がモザイクがかって苦しくなってしまったことを思い出しながら。
今日は予定していたことは無くなりそうだな と思いながら、江ノ電にのろうかなと考えを巡らす。
近いはずなのになかなか乗れないから、ちょっぴりわくわく心が弾む。
予定って、たかが予定で、変えちゃおう、気分はこっち、だったら自由自在だ。
「すっぽかされた」かもしれない予定。
なら、消してしまえばいい。
そんな強気ではいられなかったけれど、
なんとなく、連絡するのが怖かったから遠慮して
ひとり海を眺める。
波の音に心が洗われる。
今まで吸い込んできた灰色の何かを海が吸い取る。
海風が身体の芯を突き抜ける。
やってみようって思ったこと、
明日の予定が邪魔しているなら
変更しよう、ちょっとだけ頭を柔らかくして。
さて、歩こうか。
ラインで知る、君も遠慮していたことを。
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