OKOPEOPLE - お香とわたしの物語

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記事

冬のはじまりは雨上がりの匂い

晴れていた空がみるみるうちに暗くなって、地響きのような雷が落ちた。とたんに風が吹き荒れて、ぼつぼつ鳴っているのは何だろうと思ったら地面や屋根に打ち付けられている雨で、びゅうびゅう水がガラスを流れていき、また閃光。地響き。横殴りの雨。

あー、ぶりおこしだ。

こんな嵐に子どもを迎えにいくなんて嫌だなあ。思っているうちに雨は止んで、すっきりした青空がのぞいた。外に出ると、街はみずみずしく洗いたてとい

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「ラストダンス」 ~ 師走の街に ~

12月はダンスの季節だ。
父が生前ソシアルダンスを長く続けていたことから、この時期あちこちで開かれるダンスパーティの情報が何となく目に留まる。

そんな折、わがレモングラスの紳士、Yさんを街でお見かけした。

白髪が似合う長身は二年前と変わらない。
奥様と思しき老婦人の脚をいたわりながら、手を取って古いマンションに入って行かれるお二人の表情は、寒さのせいか少し硬く、私は何となく意外な思いで見送った

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