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再燃

LINEというツールを使って、時おり文字で他愛もない会話をしている友人がいるのだけど、何かの話の流れで本の話題が出たタイミングで聞かれてもいないのに浅田次郎が好きと打った。

浅田次郎の本を読んだことがないと言っていた彼はすぐさま読んで感想を送ってくれて、絶賛してくれて。しかも私より的確に良いところを挙げるのでそうそうそうだよねと。なんだかとても嬉しかった。
好きな作家を聞かれて浅田次郎と答える人と実際に出会ったことがなかったので、好きな本の話は単純に楽しいということを知った。

まだ全部は読めていないけど読んだ中で好きな本はたくさんあって、彼の小説に出てくる登場人物はまた何とも言えない味があるので、任侠系のちょっと笑える話やじーんとする話が秀逸なんだけど、でも一番心に沁みたのはシェエラザード。
実際にあった事件を元にした長編小説。
戦争の理不尽さと、登場人物の凛々しさ。美しくて哀しくて、読んだあとの余韻といったら。
戦争のような悲劇の物語を読むと、いつも哀しいだとか起きてはならなかった二度とあってはならないというような感想を抱くのだけど、浅田次郎の文章を読んでいると登場人物や、シェエラザードでは彼女と呼ばれる美しい船にすら感情移入してなんだか愛着まで沸いてしまう。

私は本当にプレゼンが下手で、聞かれても浅田次郎はおもしろいよとか良かったよとか文章がなんか好きとかしか言えないんだけど、つまり頭では考えずになんだかとても好きなのです。
話していたら久しぶりに浅田次郎が読みたくなって、まだ未読だった本を読み始めた。
やっぱり好きだなぁ、このするするとでもじんわりと脳に沁み込むような文章、と思った。
こんな文章が書けたらどんなに素敵なんだろうと思うのが、好きな理由かもしれない。

私は啓発本やお役立ち系のようなものはほとんど興味がなくて、経済だとかになるとほんともうお手上げで、読んだ記憶がないし最後まで読めない自信しかない。
タイに来る前に一冊だけ買ったタイ語学習の本は繰り返し読んだけどちょっと違う気がする。

文字の羅列から成る物語を何時間もかけて読んだって、試験に受かる訳でもお給料が上がる訳でもないのに(国語の成績がちょっと上がったりするかしら)、どうして本を読むんだろうね。
読んでいて心地の良い文章が好きです。
きっと美味しいコーヒーだとか、心地良いお昼寝だとか、そんなようなものなのだと思う。
私にとっての本。


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