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詩・散文 「くらげ」

くらげ

空のような海のような なかで 漂っている

くらげ

空のような海にそまって
いったいおまえのどこが生きているっていうのか
そんな命のおおきな謎を 透けた体にいっぱいに満たして
空のような宇宙にそまって
宇宙のような海にそまって
海の底を日々の寝ぐらにしている

くらげ

晴れた真夏の昼時などに
たまには海面に浮かんできては空にあそび
星降る春の真夜中には 宇宙を旅する夢を見る

くらげ

おまえはきっと
いつか昔の
誰であったのか既に知る人のもういない
真剣に真実が掴み得る事を信じて死んだ
人の
生まれ変わりに違いない

                    2010年頃 岡村正敏

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