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哲学・日記・メモ「詩? それとも物語?」

詩?それとも物語?

●世界の開闢の瞬間に立ち会い、「開闢」に祈りを捧げまたは賛美するのが「詩」なのだとしたら、「開闢」の現場に立ち会い、「開闢」そのものを問う、その問いのstanceに固執するのが「物語」なのではないだろうか?
●「開闢」などと書くと、それは出来事の因果をさかのぼり歴史として記述されなければならない、と考えるかもしれませんが、「開闢」はそのような歴史的遡及によって知られるのではない、と私は考えています。「開闢」はその都度の瞬間になされるのであり、現象学的探究(のような方法によって)によって明らかになるものだと思うからです。これを現象学と言うような厳めしい学問ではなく、生活次元での探究が「アート(技術)」なのではないだろうか。と思うのです。
●この「アート(技術)」によって「開闢」の現場に立ち会った後、そこから「開闢」を「賛美・祈る」のが「詩」であり、「開闢」という「事態」そのものを「問う」のが「物語」。
●「詩」と「物語」は、「開闢」という原点・原初を前にするという点は同じだとしても、原点・原初を前にした後「祈り・賛美」するのか、原点・原初という発端の出来事を「問う」のか、で双方のstanceは相反する。
●そしてそのうえで私は「物語」を選びます。しかしそれは「詩」を否定するわけでは必ずしもないのです。

2021年8月18日 岡村正敏

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