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病気になるリスクを知るためのデータ開示

健康診断を受けてきた

年1回の恒例となっている。

今までに大きな病気はしていない。
「問題ない」
「年に1回の検査をまた受けてください」
と医者は言う。

それでも、結果は気になる。

例えば、がん検査をしないグループと、
がん検査を受けたグループを比べると、
検査を受けたグループの方が、
がんで死亡する人は少ない。

また、がんの可能性が有ると警告され、
生体検査さらに治療をしたが、
実際にはがん(悪性腫瘍)ではない
と後になりわかることがある。

がん検診は受けた方がいいいのだろうか

(日本では)がん検診は利点が過度に強調されている。だが、無症状の人を対象とするがん検診では、治療の必要がない「異常」を見つけすぎることの弊害、そして〝見つけすぎる〞こと(過剰診断)により必要がなかったかもしれない治療を行ってしまう問題が生じうる。

そのため多くの国や地域で、「検査には必ずしも利益だけでなく不利益もあること」を市民に伝えようと工夫し、啓発活動に取り組んでいる。

()内の記載は追記した
週刊東洋経済9月21号
日本で行われる検診・健診 その深刻な問題とは何か
一橋大学 国際・公共政策大学院 井伊雅子教授

病気に早期に気づくメリットをとるか、
"見つけすぎる"デメリットもあると考るか。

心配しすぎかもしれないが、
一度はよく考えた方がいい。

待合室で思うのは、漠然とした不安だ。
体調が今までと違えばなおさらである。

検診結果は10段階で示される

受診したクリニックは、
10段階の検診結果を示してくれる。

「まったく問題ない」と言えるのは
第1段階のA判定のみ、
他は”コメント”がついている。

全てA判定という人は年齢とともに減り、
何らかの”気になるコメント”がつく。

この”コメント”を受け止める
心理的な負担がある。
精密検査や治療が必要というコメントは特に。

受診前に決めておくといい

結果にコメントがある場合、
どの段階では何もしないのか、
また何をするのか。
検査前に決めておくといい。

精密検査や治療が必要という場合も、
コメントに従って
精密検査と治療をするかを決めておく。

事前に決めれば
迷うこともなく、決断が早い。
それでも人は迷う。だから決めるといい。

一方で、検査技術が向上したため、
より小さな変化による
病気の可能性が、わかるようになった。

これが心配のタネを増やすことになる。

命にかかわる病気で、
少しでも可能性があることが
わかった場合は、
なおさら心配が募るだろう。

検査全体の統計的数値を、
示してほしいと思う。
早期に発見した場合の数値のみ
ではなく、過剰診断のデータも含めて。

統計的に正しい数値データによる確率を
知って判断するのは、ただ心配するよりメリットが大きい。

最後は本人が決めることだ

そのために必要な数値データは開示してほしい。

老化により、何らかの異常はあるものと覚えておき、
気に病まないことが、人生を楽しむためにいいと思う。

正確なデータが多く集まれば、個人が何をするかの選択に役立つ。

未来の医療は、正確なデータと確率に基づいて個人が医者と
相談して決められる、そういう時代になってほしい。

医療データを人工知能の学習に使うのであれば、
個人にも情報開示があっていい。



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