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専門用語によるリアル感とは ジェフリー・ディーバー再読(5)リンカーン・ライムシリーズ


大好きなミステリーを再読して、発見したことを記すことにした。ミステリーの味わいを書く楽しみがふえた。再読したのは、ジェフリー・ディーバー著、池田真紀子訳、ボーン・コレクターだ。
科学捜査、警察、FBIさらに医学についても専門的な記述があるので、ノンフィクションを読むようだ。

J・ディーバーが感謝を捧げた2人

ディーバーは2人の著書を参考に、ボーン・コレクターを書いた。本のあとがきに謝辞をのべている。

「The Detectives」の著者であるPeter A. Micheelsと「Cop Talk」の著者であるE. W. Countの本は、この本のリサーチに素晴らしく役立っただけでなく、素晴らしい読み物でもありました。   
                              J・ディーバー

ボーン・コレクター 著者あとがき

過去の犯罪を分析し捜査に役立てるため、または犯罪の防止のため心理学者や社会科学者が米国では活躍している。さらに実際の事件について科学捜査の知見を深め本を出している。現実の事件についての専門書だ。

「探偵たち Detectives ピーター・A・マイクルズ著」

薬物や事故、病気などにより精神を病んだ人をみる心理学者が、事件の捜査をつぶさに追ったことを専門書にしている。ボーン・コレクターはこれを参考にしていると思える内容になっている。

「探偵たち Detectives ピーター・A・マイクルズ著」
著者は、病院に勤めた心理学者。ニューヨーク市警刑事たちの世界は、危険に満ちており、また英雄になるチャンスにも満ちている。レイプから殺人、爆弾テロから人質まで、この本でニューヨーク市警の刑事たちが、その実態を赤裸々に語っています。
危険で手に負えないと思われていた麻薬の売人を、おとり捜査で逮捕したり、300人以上が住むアパートにあった爆弾工場を閉鎖したり、タクシー運転手を装った残忍で逃げ場のない強姦魔を捜査などです。
すべての犯罪には、より深い物語がある。犯行現場から逮捕に至るまで、刑事が犯人をいかに追跡したか。絶望的だった事件が、ほんの些細なことを手がかりに、一転したこと。そして、洞察力、経験、勇気が、最も凶暴な犯罪者たちをいかにして食い止めたか。
ピーター・マイクルズは、街頭でのアクション、政治や法廷でのドラマを、鮮明な臨場感で描いている。

「コップ・トーク  ニューヨーク市警刑事の実話    Cop Talk  E・W・カウント著」

コップ・トークは、1994年に出版されている。犯罪者の自白と、インタビューにより悪人が語ることば、どんな悪事を考えるのかを窺い知ることができる。生々しい悪人のことばは、この小説にも生かされている。恐ろしい言葉が、ノンフィクションを読むように感じさせる。それは、この本による十分な調査をもとにしているからだ。

「コップ・トーク    ニューヨーク市警刑事の実話
Cop Talk  E・W・カウント著」
人類学者 / 社会科学者。ニューヨークの名探偵たちが、有名な事件とそうでない事件を回想し、「悪人」とのインタビューや自白をノーカットで記録をもとにしている。
CSUの刑事は、年間200体以上の死体を処理することが保証されている、FBIの中でもユニークな存在です。今でも人気のある部署だ。身長180cmの堂々たる警部補、スティーブンソンの見解はこうだ。"魅力的な仕事 "だと?足首まで血に浸かり、死から連想される香りを吸い、その香りは服に染み込んで離れない」。要するに "他の専門家より少し風変わりでなければならない"


紹介した2冊の専門書は、日本語の訳本は出版されていませんでした。

つづく


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